小金井市保健福祉部
専門職が災害後に想定する要配慮者のリスクに対応していくために~身近な福祉避難所と災害時保健活動チーム~
掲載日:2018年11月9日
ブックレット番号:7 事例番号:84
東京都小金井市/平成30年3月現在

各課に分散配置されている専門職を災害時に再結集

平成27年2月に修正した『小金井市地域防災計画』では、発災直後から迅速に地域住民の救命救急・感染症予防などに対応するため、専門職が庁内の部・課を超えた一つのチームとして保健活動を展開することが明記されました。その必要性について、福祉保健部健康課健康係の保健師の田村浩子さんは次のように話します。「小金井市には11名の保健師がいるが、日常では各課に分散配置されて業務を行っている。そうした中、普段から地域を回っている保健師がそれぞれに把握している『保健援護者』の情報を災害時には集める必要がある。そして、いざというときにチームで動けるためにも、マニュアルをあらかじめ一緒に作ろうという動きになった」と話します。

マニュアルのひな形があった訳ではなく、健康課の保健師が中心となり1年間かけて検討を重ね、『小金井市災害時保健活動マニュアル』(以下、「マニュアル」)を平成27年12月に作成しています。

この「マニュアル」では、発災直後からおおむね1か月間、設置する「保健活動チーム」は、保健センターを拠点に4つの課から7つの職種により構成するとしています。

 

そして、チームの組織体制には、以下の3つのグループが予定されています。

(1)情報分析・企画調整グループ

統括責任者(保健師)とリーダー保健師が協力して活動し、統括責任者は本部・関係機関に対する報告・連絡・相談、リーダー保健師は各活動グル―プとの連絡・調整を担います。

田村さんは「チームが組織だって動く上でも、報告・連絡が大切になる。何を見てくるか、どういう視点で保健活動を行うか、どんな活動をしたかをきちんと残して記録し、情報として集める」と話します。

(2)地域健康管理グループ

災害発生直後は、住民の救命救急を優先するため、緊急医療救護所(小金井太陽病院・桜町病院)、医療救護所の設置運営に協力します。保健師は医師会と協力してトリアージを行い、会場運営、患者搬送などの役割を担います。救急対応が一段落した後、自立生活支援課・介護福祉課・健康課・子育て支援課から、「災害時保健援護者リスト」を持ち寄ります。そして、リストの記載者について地区別に家庭訪問の優先順位を決めて巡回します。

(3)避難所健康管理グループ

避難所運営に協力し、避難所における健康相談、感染症予防・衛生管理、エコノミークラス症候群などの保健予防活動を行います。

 

 

取材先
名称
小金井市保健福祉部
概要
小金井市保健福祉部
http://www.city.koganei.lg.jp/
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