小金井市保健福祉部
専門職が災害後に想定する要配慮者のリスクに対応していくために~身近な福祉避難所と災害時保健活動チーム~
掲載日:2018年11月9日
ブックレット番号:7 事例番号:84
東京都小金井市/平成30年3月現在

フェーズごとに取組むべき活動を整理

「災害時保健援護者リスト」を作成していくことはこれからの取組みになりますが、「マニュアル」では災害発生以降に取組む保健活動を具体的にまとめています。田村さんは「フェーズ0から通常業務に回復するまでフェーズごとに取組むべき保健活動をまとめた」と話します。保健活動チームの「情報分析・企画・調整グループ」「地域健康管理グループ」「避難所健康管理グループ」はフェーズごとに以下のような活動に取組むことが想定されています。

 

「マニュアル」では、こうした具体的な取組み以外にも、実際の災害時保健活動で使用することが想定される各種様式をあらかじめ検討して定めています。

<各種帳票>

1 災害時保健援護者リスト

2 保健活動報告(日報)

3 健康相談票(共通様式)

4 世帯健康調査票

5 地域活動記録

6 訪問不在票

7 避難所活動記録

 

また、「避難所健康管理グループ」が避難所を巡回してチェックすべきポイントについて「障がいと留意事項」「感染症対策のポイント」「食中毒予防対策のポイント」「アレルギーを有する者への配慮ポイント」「環境整備の配慮ポイント」としてまとめています。優先順位を付けた取組みを重視しつつも、保健師らしい予防の視点に立った細やかなポイントを整理しています。例えば、「環境整備の配慮ポイント」では、次のようなポイントをあげています。

 

 

災害時に要配慮者を支えるうえで発災時の避難行動をいかに支援し安全を確保するかは、その後の支援を成り立たせる上でも重要です。そして、その後の支援。専門職に求められるのは、需要に対して圧倒的に供給力が不足するおそれがある中で、優先順位を付けながら専門職ならではの視点で、その先に起こりうることを想定した取組みが求められます。小金井市における災害時保健活動マニュアル作成の取組みは、こうした専門職の力を災害時にチームとして再結集させ、有効に機能させることをめざした実践といえます。

 

 

 

【お話をうかがった方】

左から

小金井市福祉保健部健康課健康係 保健師   田村浩子さん

    福祉保健部健康課健康係       岡本康夫さん

    福祉保健部地域福祉課地域福祉係主任 高野修平さん

    福祉保健部健康課健康係 保健師   山本清香さん

 

取材先
名称
小金井市保健福祉部
概要
小金井市保健福祉部
http://www.city.koganei.lg.jp/
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