無料学習支援ボランティア 中村美乃里さん
子どもたちの「学びたい!」気持ちに精一杯応えたい
掲載日:2017年11月29日
2015年8月号 くらし今ひと

中村美乃里さん

 

あらまし

  • 無料学習支援のボランティアをしている、中村美乃里さんにお話をうかがいました。
  • 高校3年生の中村美乃里さんは、北区の豊島地域包括支援センターが実施している、無料学習支援(多世代交流)のボランティアをしています。

 

子どもたちの「学びたい」気持ちを大切に

毎週木曜日の午後4時から5時半まで、豊島5丁目団地の「わくわくステーション」で、子どもたちに勉強を教えています。主に小学生を対象に、授業の予習・復習はもちろん、都道府県のかるたや漢字のクイズをする等、毎回子どもたちが楽しく学べるような工夫をしています。

この活動に携わるようになったのは、高校1年の秋に所属していた部活をやめて、これからどうしようかと考えていた時でした。北区の地域包括支援センターの職員さんに誘われ、将来は教師になりたいという希望もあったため、軽い気持ちで引き受けたのがはじまりです。

教室には、さまざまな子どもたちが来ます。落ち着きがなかったり、大人しくて無表情だったりすることもありますが、あせらず、その子のペースに合わせて学習したり、話をするようにしています。教室に来てもずっと黙り込んでいた子が、数か月後、見違えるように活発になり、学習にも積極的に取組んでいる姿を見ると、本当にうれしく、やりがいを感じます。

反対に、ずっと来てくれていた子が長期の休みをはさんで来なくなってしまうこともあります。さびしいけれど、来てくれる子どもたちに真剣に向きあうことが、自分の役割だと思っています。

 

学校では見えなかった現実

今までは、ニュース等で取り上げられる生活保護や社会保障等の問題について、あくまで他人事で、あまり実感がありませんでした。でも、実際に生活保護を受けていたり、家に学習机がない等、思うように学習に取組めない子どもたちと関わる中で、親の経済状況で子どもの学力や進路、就職が決まってしまう、社会のあり方に疑問を持つようになりました。こうして活動を続けてきて、子どもたちや支援に関わるひとたちから、学校の勉強では知ることができなかったことを、身をもって学んでいると感じます。

だから、教師を目指している高校の友人にも、一度ここの教室に来てみて、と誘っています。実際に教師になった時、受け持つ教室にはさまざまな学習環境、家庭環境の子どもがいることを、知っていてほしいと思うのです。

 

子どもたちの可能性を育める社会をつくりたい

今年の4月で高校3年に進級し、受験のこともあって、このボランティアを続けるべきか少し迷いました。でも、この活動を担当している地域包括支援センターの職員さんから「今ここで経験していることは、きっと美乃里ちゃんの将来を豊かなものにしてくれると思うよ」と言ってもらえたことも自信になり、できる限りは続けようと思っています。大学生になったら、より本格的にこの活動に取組むつもりです。

最初は教師になりたいと思っていましたが、この活動に関わるうちに、より多くの子どもたちの学びを支えるため、社会の制度やしくみ自体を変えられるような仕事に就きたいと考えるようになりました。そのためにも、今はボランティアも受験勉強も、一生懸命がんばるつもりです。大変だけれど、私が勉強を教えている子どもたちに、努力すれば実るものがあることを、自分のがんばりを通して伝えられたら良いと思っています。

 

取材先
名称
無料学習支援ボランティア 中村美乃里さん
概要
(社福)光照園 豊島高齢者あんしんセンター(豊島地域包括支援センター) http://www.o-kousyoen.com/cominfo.html
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