グループホームで介護職として働く シサさん
大好きな日本で大好きな介護の仕事をしている今が1番楽しい!
掲載日:2017年11月29日
2017年6月号 くらし今ひと

大切にしている専門学校時代のユニフォームで

 

あらまし

  • この春、品川介護福祉専門学校を卒業し、現在品川区内のグループホームで介護職として働いている、キラキラした笑顔が魅力的なエクアドル出身のシサさんにお話を伺いました。

 

夢に見た憧れの日本へ行きたい

私が日本に興味を持ったのは、25年ほど前から日本で音楽関係の仕事をしている父の影響でした。父は1年に1度、エクアドルの家に帰ってきて、日本での写真やビデオを見せてくれました。私は子どもの頃からそれを見ることが大好きで、いつも楽しみにしていました。私は父の持ち帰った日本の写真や絵を部屋に大切に飾り、それはどんどん増えていきました。そのうちに、私の中で日に日に日本への憧れは膨らんでいき、日本で生活することを夢に見るくらい大きくなっていったのです。

 

来日後、私は日本語学校で2年間日本語を勉強し、その後は父の会社の手伝いをしていました。

 

充実した専門学校時代

日本人の友人の中に介護の仕事をしている人がいて、よく仕事の話をしてくれました。私自身、子どもの頃から福祉の仕事に興味があったので、楽しそうな話を聞くうちに、自分も日本で介護の仕事をしてみたいと思うようになりました。そして、平成27年に品川介護福祉専門学校に入学しました。

 

専門学校では、たくさんの人に出会い、友人もでき、充実した日々を過ごすことができました。学校行事として全校生徒で埼玉へ旅行に行ったことがよい思い出です。

 

また、品川区内の施設への実習が1番印象に残っています。特養やグループホーム、デイサービスに行き、介護の仕事をする上でのコミュニケーションの大切さを実感するとともに、さまざまな利用者さんと接することができ、毎回実習が楽しくて仕方ありませんでした。

 

介護の仕事が大好き!

今年の4月から、品川区内のグループホームで働いています。利用者さんと、ホームから見える富士山や新幹線の話をよくします。「どこの国から来たの?よく来てくれたね」と嬉しい言葉をかけてくれる利用者さんもいます。

 

私が仕事で心がけていることは、利用者さんをよく見ることです。その方の得意なことを見つけたり、どんな性格の方なのかなど、利用者さんについて知っていることを増やしていくことが、私の日々の楽しみであり、この仕事が好きだなと感じる瞬間です。例えば、はじめは怪我をしないかと心配していたのに、私よりずっと上手な利用者さんの包丁さばきを見た時!驚きとともに、「介護の仕事って楽しい!」「利用者さんのことをもっと知りたい!」と思いました。

 

仕事の悩みは2つあります。ひとつは、利用者さんと一緒に料理をするときの味つけのことです。エクアドルの味つけは主に塩味なので、私からすると日本の味つけは少し甘い感じがするのです。ですから、先輩職員や利用者さんに味見をしてもらいながら「日本の味」を勉強中です。

 

ふたつめは、やはり言葉です。申し送りの漢字が読めない時や、緊張して言葉が出てこず、伝えたいのに伝えられない時は本当にもどかしくて…。でも、そんな時は他の職員がいつも助けてくれます。「できないことがあったらいつでも聞いてね」と声をかけてくれるので、安心して相談ができます。

 

大好きな場所で大好きな仕事を

私はこれからも日本で介護の仕事を続けていくつもりです。もし長い休みが取れたらシンガポール旅行に行きたいなと考えています。介護職になってはじめてのお給料はまだ使っていません。日本に行きたい私の気持ちを尊重して送り出してくれた、今でも故郷から応援してくれている母に送りたいのです。

取材先
名称
グループホームで介護職として働く シサさん
概要
品川介護福祉専門学校
http://www.shinasha-kyoiku.or.jp/college/
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