保育園で働く 北嶋明貴さん
大人の「楽しい」が子どもの主体性を高め、世界を広げる
掲載日:2017年11月29日
2017年7月号 福祉のおしごと通信

 

(社福)松栄福祉会「まつぼっくり保育園」 保育士 北嶋明貴さん

 

あらまし

  • 絵や音楽などを子どもたちと楽しみながら保育士として働いている北嶋明貴さんのおしごとの魅力をお伝えします。

 

絵を通じて子どもとかかわりたい

小さいころから絵を描くことが好きでした。「勉強しなさい」と親に注意されても、ずっとノートに好きな漫画のキャラクターを描いているような子どもだったので、最初は絵を仕事にしようと、普通科と美術科が両方履修できる高校に進学しました。でも、勉強を始めると、デザインやインテリアコーディネーターなど、絵を描くこと以外にやりたいことが次々と出てきて、何を仕事にしようか決めかねていました。

 

そのような中、テーマパークのアルバイトを通じて、子どもと遊ぶ楽しさに気づき始めました。そこで次の仕事として、子どもとサッカーなどができる、幼稚園併設のスポーツクラブに就職しようと面接に行きました。その際、幼稚園を見学したら、子どもたちと先生が楽しそうに絵を描いたり絵本を読んでいて、「良いな」と感じたのです。やはり絵は大好きだったので、子どもとかかわりながら絵も描けて一石二鳥だなと思いました。さらに自分で絵本をつくって子どもと読めたら楽しいだろうと考えました。幼稚園でもアルバイトをしてみましたが、保育の活動時間が長く、よりたくさん子どもたちと触れあえる保育園で働きたいと思い、保育士をめざすことにしました。

 

大人が楽しんでいることが、子どもの関心を広げるきっかけに

保育士になってからは、マンガのキャラクターを模写した自作の塗り絵や、登場人物を芸能人にアレンジした「森のくまさん」の紙芝居をつくるなど、絵を通じて楽しみながら保育をしてきました。自分が楽しく絵を描いていると、「あき先生、何やっているの?」と子どもたちが集まってきて、「自分もやってみたい」と関心を持つようになります。得意なことでなくても、楽しんでいる気持ちは子どもにちゃんと伝わります。保育園の夏祭りの出し物で、三線という沖縄の楽器を初めて練習し、弾き語りをしたところ、それを見ていた子が、その後、食品の発泡スチロールトレイで三線に見立てた楽器をつくり、真似して歌っていました。どんなことでも、大人が「楽しい」見本を見せることで、子どもは自ら関心を広げ、行動に移していくことができるのだと気づきました。子どもたちには、いろいろなことを自発的に経験してほしいです。そこから好きなことやできることが増えていくといいなと思います。

 

ランチルームには北嶋さんの描いた絵が飾られています

 

子どもの成長に寄り添える

子どもが興味を持ったことにチャレンジし、成長していく姿に寄り添えるのは、テーマパークでのかかわり方とは違う、保育士の魅力だと感じます。テーマパークでは、子どもとの出会いは一期一会でしたが、保育士になると、その子の土台となる大事な時期に長くかかわることになります。昨年度まで担当していた子どもたちは3歳から卒園まで受け持たせていただきました。卒園式では泣かないと思っていたのですが、保護者の方が作成した動画を見たら、さすがにこみ上げるものがありました。家族同然の長い時間をともにしたことで、深いつながりができていることを実感しました。

 

他園の職員との交流

現在、羽村市にある男性保育士の会「ホップの会」に所属しています。メンバー同士交流を深めるだけでなく、父親向けの子育て講座に参加したり、コンサートなどもしています。市内の保育園が一堂に会し、各園の紹介や保育士と遊べるブース等が楽しめるイベント「はむら保育展」にも、ホップの会は劇や音楽の出し物で参加します。施設の枠を越えた横のつながりならではの、多様な活動を楽しんでいます。今はギターが弾けるメンバーから弾き方を教わりたいと思っています。新しい興味への良い刺激にもなっています。

 

「やってみたい」を諦めない

何事もまず「やってみる」というのは、大人でも大事だと思います。壁が高く感じることもあるかもしれません。私も、保育士になろうと思ったもののピアノが難しくて、実技試験は本当に大変でした。でも、本気で「やろう」と思うと、向き合い方は変わるものです。楽しいと感じることが見つかったら、諦めないでほしいと思います。

 

これからは、昔からの希望である絵本づくりを実現させていきたいです。登場人物は、先日送り出した卒園生です。卒園にあたり、全員の似顔絵を描いたらとても喜んでくれました。その笑顔が嬉しくて。絵本を通じて、子どもたちが、またさらに自分の世界を楽しく広げていくことを願っています。

 

まつぼっくり保育園外観

 

木のぬくもり溢れる園舎

 

 

プロフィール

  • 社会福祉法人松栄福祉会 まつぼっくり保育園(羽村市)保育士
  • 羽村市内の私立保育園に在籍する男性保育士の有志団体「ホップの会」
取材先
名称
保育園で働く 北嶋明貴さん
概要
(社福)松栄福祉会「まつぼっくり保育園」
http://www.matsubokkuri-hoikuen.com/
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