住田 諒さん
生き辛さを感じている人が生きやすい世界をつくりたい
掲載日:2015年9月17日

住田 諒さん

 

あらまし

  • 平成27年9月12日に「『人間って、障害者って、』その暮らしを考えよう」をテーマに第10回東京大集会が開催されました。住田諒さんが「フクシの仕事の魅力」について発表しました。

 

人の人生を背負う大きな責任

私は小平市にある障害者支援施設で、障害を持った方を支援する仕事をしています。職員は日常生活を送るうえで、利用者さんの生活で足りないものを補い、元来もつ利用者さんのポテンシャルを引き出す支援をしています。様々な専門職が連携して利用者さんを支えています。

この仕事は、人の人生を背負うという大きな責任があります。利用者さんが充実した日々を過ごすためには、私たちが良い支援をすることが大事です。良い支援とは、ただ不自由ないように支援するだけでは実現できません。生きるための支援にプラスして、その方のニーズを読み取り、良い余暇を提供することも大切です。

 

行動を特性として捉える

私は利用者さんの行動を特性として捉えることが大切だと考えています。利用者さんの行動は、時には理解できないこともあります。例えば、ゴミを集める方、靴下を宝物のように大事にする方、これらの行動を理解することは難しいかもしれませんが、特性として捉えることは、私は可能だと思います。

私の特性は、朝に弱いこと、煮込んだかぼちゃが苦手なことです。そして、私にとって大事なものはカメラや楽器です。利用者さんの行動も私と変わらないと思います。ある方にとってはゴミを集めることが大事で、ある方にとってはカメラや楽器が大事なのです。多くの人と人の間に価値観のズレが生じていることと同じように普通のことです。障害を持つ人の行動は、私たちには理解できないこともあるかもしれませんが、受け入れることも大切だと思います。

 

生き辛さを感じている人が生きやすい世界をつくりたい

私は弟が養護学校(特別支援学校)に通っていたこともあり、子どもの頃から知的障害と密接にかかわってきました。その中で、知的障害に対する偏見、差別に苦しめられた時期もありました。障害を持つ弟と上手くかかわれず悩んだ経験がありました。それがきっかけとなり福祉系の大学に通い、障害を持つ方を支援する仕事に就いています。

今は以前より弟と上手くかかわることができています。障害の理解を深めるだけではなく、人として上手く受け止められるようになったからだと思います。それは、施設で利用者さんと接して学んだこと、気づかされたことがあったからです。今の仕事に就くことができて、心から良かったと思います。

私がやりたいことは、世の中に知的障害の理解を広めて、生き辛さを感じている人が生きやすい世界をつくることです。これからは、自分が選んだ仕事に誇りをもって頑張っていきたいと思います。

取材先
名称
住田 諒さん
概要
(社福)黎明会 障害者支援施設澄水園
http://www.reimeikai.or.jp/index.html
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