NPO法人「街ing本郷」
地域のお魚屋さんがつなげる”三方よし“のまちづくり
掲載日:2017年11月29日
2016年12月号 みーつけた

 

あらまし

  • 文京区本郷4丁目、商店街にある老舗鮮魚店「魚よし」。明るく活気あふれる店主の長谷川大さんは、NPO法人「街ing本郷」の代表理事でもあります。長谷川さんの他に4名の理事がおり、すべてが商店を営んでいます。お店に行けばいつでも理事と話せ、相談ができるため、事務所を持たないNPOになりました。ホームページなどに、理事たちの顔や活動報告等を積極的に掲載することで、地域を支えるNPOの「顔の見える理事」として、地域から安心と信頼が寄せられています。

 

「みんな つないで 笑顔にする」”三方よし“のまちづくり

隔週月曜の20時から行われる定例会は誰でも参加できます。現在、区内の大学に通う大学生や、地域のために何かしたいという社会人が中心で、毎回20名ほどが参加しています。

ある時、福祉施設の職員から「施設が地域で孤立していると感じる。障害のある方と地域の接点を持てないか」と相談を受けました。 そこで、施設の利用者に区内の企業等をまわってもらい、指定の場所に集められたペットボトルキャップの回収と運搬を手伝ってもらうことになりました。集めたキャップはリサイクル業者へ売却し、それにより得た資金を花の苗に換え、地域のシニア世代が本郷通りの花壇に植えています。 キャップの回収をきっかけに、施設利用者と企業で働く社会人が挨拶しあう関係になり、シニア世代も花壇の手入れを楽しんでいます。花は街をきれいに彩り、地域住民を喜ばせています。これが街ing本郷のめざす「みんな つないで笑顔にする」まちづくりです。

 

人と人の化学反応を促す触媒

長谷川さんは裏方に回り、地域でやりたいことがある人、地域に貢献したい人、地域の人の協力がほしい人などの想いをつなげ、力を発揮したり、想いを実現するためのステージをつくることに徹しています。長谷川さんは地域にいる人を元素に例え、「元素と元素がつながると化学反応が起きるように、人と人がつながると化学反応が起き、想いが事業として動いていく。私はさまざまな人を巻き込み、人を集めて活動を促し、みんながつながるための触媒のような存在でいられたら」と話します。

 

既存の組織や活動を否定せず、各組織・個人が自由につながり

活動しやすくするためのつなぎ役をしています。

 

誰の想いも大切にする

街ing本郷設立から6年。”地域のために何かしたい“と思っている人はたくさんいるけれど、その想いを実現する方法や、まちづくりへの参加のしくみが足りなかったことがわかりました。今ではシニア世代と大学生が交流会をしたり、大学生が夏休み中の小学生へ勉強を教えたり、シニア団体が子どもたちへ紙すき教室を開催したりと、それまで関係がなかった人同士がさまざまな形でつながりを持つようになりました。

 

長谷川さんは、何かを企画・実行する際には、本郷で生まれ育ち、地域のことをよく知っているからこそできるアドバイスがあるのではないかと考えています。また、若い人の意見も、先人の意見も決して否定しません。長谷川さんは「今後も本郷のまちを盛り上げていきたい。でも実は一番楽しんでいるのは自分かもしれないですね」と笑顔で語ります。どんな意見も否定せず「いいね!」と聞いてくれる長谷川さん。

 

そんな長谷川さんの人柄と、地域の魚屋さんが代表者という身近さが、街ing本郷に人が集まる理由かも知れません。

 

 

取材先
名称
NPO法人「街ing本郷」
概要
NPO法人「街ing本郷」
http://m-hongo.com/

「みんな(街・人)つないで、笑顔にする」をテーマに平成22年設立。地域の空き部屋に大学生が低廉な家賃で住まう「書生生活」、5つの商店街が垣根を越えて本郷をPRする「本郷百貨店」、災害時の安否確認を迅速に行うための「黄色いしるし作戦」など、地域の実情に即した取組みは多岐にわたる。
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