NPO法人町田市つながりの開 デイサービス DAYS BLG!
「働きたい」や「社会とつながりを持ちたい」を“かたち”に ―心の底から通いたいと思える、次世代型デイサービスの可能性
掲載日:2017年11月29日
2017年8月号 みーつけた

 

町田市の静かな住宅街にあるデイサービス「DAYS BLG!」(以下、BLG!)は、「自分で選ぶ」を大切にした本人主体のデイサービス。特に若年性認知症の方の利用が多く、現在50代~90代の方が25名通っています。

 

BLG!での過ごし方は他のデイサービスと比べて少し変わっています。NPO法人「町田市つながりの開」理事長の前田隆行さんは、「ここでは時間稼ぎのレクはしない」と言います。一例として、カーディーラーでの洗車、ポスティング、企業パンフレットの折り込み作業、八百屋の配達の手伝い、BLG!内の書類整理や清掃、昼食の買い出し等の活動から、本人がその日の過ごし方を決めます。働いて給料を得るのは自然なこととして、中には対価として謝礼が発生するものもあります。

 

昼食についても「どこで・何を食べるか」は自分次第。BLG!の中でお弁当を食べる方もいれば、もちろん外食もできます。人気があるのはカラオケ店で歌と昼食を楽しむ「カラオケランチ」です。

 

「認知症だけど、まだ働きたい」

前田さんは以前、ある若年性認知症の方から「働きたい」と言われたことをきっかけに、認知症の方が働くこと、その自然な流れとして給料を得ることについて考えるようになりました。しかし、その頃はまだ介護給付を使いながら利用者が対価を得ることは認められておらず、前田さんは国へ直談判を始めます。そして5年をかけてやっと、「最低賃金を越えない範囲で」という条件の下、介護保険サービス利用者が謝礼を得ることが可能になったのです。(※1)

(※1)2011年4月15日 厚生労働省老健局通知

「若年性認知症への施策をさらに推進するため地方自治体に協力を要請しました」

 

社会とのつながりをつくる

平成24年、前田さんはBLG!を立ち上げます。前田さんは、「『仲間がいる場所をつくる』『働きたい、を形に』というベースは変わらずに、労働だけにこだわらず、『人や社会の役に立ちたい』、『家やBLG!など所属している場所の役に立ちたい』など、ここが通ってくる方の想いを形にする場所になることをめざしてやってきた」と話します。

 

洗車の仕事は、前田さんが何度も店舗に通って交渉し、現在は週6日、1日6~18台の洗車を行い月に3万円の謝礼を得ています。

 

聞いて終わりにしないで

6月28日(水)、めぐろパーシモンホールにて、「NPO法人認知症ラボ」と「町田市つながりの開」が共催した「認知症の私たちのスペシャルトーク 認知症になっても人生は終わらない」が開催され、約200人が集まりました。

 

若い頃は海外を飛び回って仕事をしていたAさんは、3年前に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。Aさんは、「私もそうであったように、認知症の人は孤立しがち。BLG!のように社会とのつながりがキープできているという感触が持てる場が地域にたくさんできるともっと暮らしやすくなる」と話します。

 

また、若い頃からスポーツが好きだという小山伸朗さん(69歳)は、「普段、自分のことを『認知症だから』と不安になることはない。働いているし、なんでも話せる仲間もいる。だから自分が認知症であることを人前で話すことに抵抗はない」と言います。Aさんは「自分が話すことで人が変わっていくのなら、自分が認知症であることを隠したいと思わない」と当事者が発信する意義を話します。

 

前田さんは、「当事者が発信する場は増えてきているが、『聞いて終わりにしないで』ということを参加者に伝えていきたい」と話します。そして、「BLG!は来ることが目的ではなく、通って来る方の『働きたい』や『社会とつながりを持ちたい』という想いを実現してもらうことが目的のデイサービス。これからもメンバーが心の底から通いたいと思える場所をめざしていきたい」と熱い想いを話します。

取材先
名称
NPO法人町田市つながりの開 デイサービス DAYS BLG!
概要
NPO法人町田市つながりの開 デイサービス DAYS BLG!
https://ja-jp.facebook.com/DAYSBLG/

町田市成瀬台3-15-19
B=バリア、L=ライフ、G=ギャザリング(集いの場)という意味を持つ。ちなみに「!=エクスクラメーション」には発信という意味を込めています。
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