豊島区、(社福)豊島区民社会福祉協議会
このまちでみんなと生きてゆく―豊島区民社協コミュニティソーシャルワークフォーラム
掲載日:2017年12月21日
2016年2月号 TOPICS

 

■あらまし

  • 平成27年12月12日(土)、13日(日)、としまセンタースクエアと大正大学にて、豊島区と豊島区民社協主催「このまちでみんなと生きてゆく~コミュニティソーシャルワーク・フォーラム~」が開催されました。

 

平成27年12月12日(土)、13日(日)、としまセンタースクエアと大正大学にて、豊島区と豊島区民社協主催「このまちでみんなと生きてゆく~コミュニティソーシャルワーク・フォーラム~」が開催されました。

 

1日目は、豊島区長で豊島区民社協名誉会長の高野之夫さんと、東北福祉大学大学院教授の大橋謙策さんより基調講演がありました。2日目は3つの分科会に分かれてシンポジウム形式で行われました。豊島区のコミュニティソーシャルワーカー(以下CSW)は全8圏域に2名ずつ、計16名配置され、区内22か所の区民ひろば(*)を拠点に活動しています。CSWとして地域のニーズを収集したり、地域資源の把握を行うのは、社会福祉士の資格を持つ社協職員です。社協のネットワークを活用することで、広域の問題や複合的な問題にも取組むことができ、地域住民や関係機関と協働で地域づくりをしています。高野さんは「CSWの活躍により、地域の福祉コミュニティが構築され、新たな支え合いの基盤ができていく。今後もそれぞれの地域特性に合ったしくみづくりをすすめていきたい」と話しました。

 

*豊島区民ひろば

年齢や使用目的によって制限のあった、ことぶきの家や児童館などの既存の施設を、年齢を問わず誰でも参加できる、地域の多様な活動の拠点として再編されたもの。現在小学校区単位で設置されている。

 

 

 

大阪府豊中市社協では、平成16年に市と社協が協働で地域福祉計画を策定しました。校区福祉委員会に住民による『なんでも相談窓口』の設置をすすめるとともに、そのバックアップ、セーフティネットの体制づくりなどの役割として、CSWの配置を計画に位置づけています。豊中市社協地域福祉課長の勝部麗子さんは、「CSWは制度にはまらないニーズの発見力・解決力を高め、この10年で地域のちょっと気になるという声から35の協働プロジェクトができてきている」とCSWの取組みを報告しました。

 

埼玉県飯能市のなぐり広場は、安心して暮らせる地域をめざす個人、ボランティアグループ、民児協、自治連名栗支部が連携し、学び合う・楽しみあう・支え合う多様な活動を展開しています。住民として社協の検討会や活動計画策定に積極的に関わり、旧村ごとに住民組織をつくる計画を策定しています。代表の松原恒也さんは「自分たちのやりたい活動ができる地区社協にするため、社協とパートナーシップ協定で対等な関係にした」と話しました。

 

香川県琴平町社協は、自治会から福祉委員を委嘱し、地域住民とともに、発見・見守り・支援のしくみをつくっています。琴平町社協事務局長の越智和子さんは、「職員は住民とのキャッチボールから、地域の中のしくみや場づくりを行う役割。住民の声・知恵から、社協は何ができるか、何をしなければいけないか学ばせてもらっている」と報告しました。

 

コーディネーターを務めた文京学院大学人間学部准教授の中島修さんは、「地域の歴史や社会情勢の変化をふまえ、個の問題をいかに地域の問題として伝えていくか、それが地域の中に包摂をつくっていく」とまとめました。

 

CSWの人材育成に力を―第2分科会「CSWの人材育成」

沖縄県浦添市社協は、沖縄県社協と協働で「CSW研究会」を立ち上げ、養成プログラムをつくっています。スーパーバイザー会議やワーカー連絡会へ職員を派遣し、県社協の運営に協力しつつ、自社協のCSWの育成にもつなげています。

 

豊島区民社協はCSWが増える中で、OJT(全員ミーティングや事例検討会議、大学教授によるスーパーバイザー会議等)、OFF-JTやSDS(地元大学院の科目履修や外部研修への参加)に積極的に取組む等、人材育成の体制づくりに力を入れています。

 

日本社会事業大学准教授の菱沼幹男さんは「コミュニティソーシャルワークはチームアプローチであり、CSWを配置すればできる実践ではなく、横断的連携を促進するしくみが重要。また、地域生活支援のスキルとして、地域アセスメント、特に地域全体のニーズ把握が弱い。今後は個別事例に即して地域支援を考える研修が必要」と人材育成の視点について指摘しました。

 

コーディネーターの大正大学名誉教授、石川到覚さんは、「コミュニティソーシャルワークの機能が期待される中、人材育成により一層力を入れていくことが必要」とまとめました。

 

役割を固定化せず、元気なときは支え手側に―第3分科会「社会的孤立を防ぎ地域力を高めるコミュニティソーシャルワークの展開」

秋田県藤里町社協会長の菊池まゆみさんは、「藤里町は、働く世代の10人に1人がひきこもっている実態を把握した。彼らを弱者としてではなく地域の担い手として捉え、地域で働ける場を提供している」と報告しました。

 

全国ひきこもりKHJ親の会代表の池田佳世さんは、「中年の引きこもりが増えている中、当事者同士が集い話し合う『ひきこもり大学』を開催している」と報告しました。

 

豊島区民生児童委員協議会会長の寺田晃弘さんは、「民生児童委員が区民ひろばでサロンを開催し、地域住民が話し合える場づくりをしている。さくら班は特養で開催し、地域の高齢者に加え、特養利用者や家族も参加している」と報告しました。

 

コーディネーターの大正大学人間学部社会福祉学科教授、神山裕美さんは、「支援する側、される側の役割を固定化せず、困ったときは気軽に頼み、元気なときは支え手側に回ることが大切」とまとめました。

 

主催した豊島区民社協地域相談支援課課長の大竹宏和さんは、今後の豊島区におけるコミュニティソーシャルワークの実践について「この地域の誰もが、人間としての尊厳が守られ暮らしていける社会を住民とともにつくっていけるかが最大の課題」と話します。今後も各地域におけるコミュニティソーシャルワークの実践と全国的な広がりが期待されます。

取材先
名称
豊島区、(社福)豊島区民社会福祉協議会
概要
豊島区
https://www.city.toshima.lg.jp/index.html

(社福)豊島区民社会福祉協議会
http://toshima-shakyo.or.jp/
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