特定非営利活動法人アトピッコ地球の子ネットワーク 赤城智美さん
聞いてくれる人がいない辛さは、誰でも一緒
掲載日:2017年11月29日
2013年7月号 くらし今ひと

 

あらまし

  • ご自身と息子さんのアレルギー疾患をきっかけに、患者の現状調査を行い、アレルギーをもつ子の母親の現状を知り、支援団体を立ち上げた、赤城智美さんにお話を伺いました。

 

学生時代の学びは、本当に人生の大事な財産になります。私の場合は、社会学の専攻が財産になりました。

 

アレルギーとのつきあい

私自身は子どもの頃から喘息で、中学にあがる前までは、ずっと入退院が続いていました。たまに行く学校の教室では異邦人のようでした。子どもながらに「自分は、病気だから仕方ない」と割り切っていました。しかし、息子を出産し、息子に食物アレルギーがあると分かると、自分が感じてきた差別というか、「変な人」として扱われる感覚を、子どもには味わわせたくないという思いが強くなりました。

 

息子が入園できる保育園

息子が1歳になる前だったと思います。おむつかぶれがひどかったことを発端に、徐々に、頭にはかさぶたができ、ヘルメットのように頭を覆うようになってしまいました。固まったかさぶたを取るのに、オリーブオイルを塗り、一つひとつかたまりを取り除いたりしていました。息子は、アトピー性皮膚炎もありましたが、食物アレルギーで、呼吸器や消化器の症状があり大変でした。幸いアレルゲンとなる食物(小麦・卵・乳)を摂取しなければ、症状は落ち着くので、アレルゲン除去の徹底からの治療がスタートしました。

 

育休後の職場復帰のために保育園を探しましたが、いわゆる待機児問題で、区立保育園の空きはありませんでした。加えて、アレルゲン除去に対応してくれる私立園も少なく、対応可能な園を探すのが大変でした。

 

相談の行き場のないお母さんの声

私は仕事柄、調査・研究は得意分野でした。区立保育園に子どもが入園できて仕事ができる環境が整ったので、環境NGOに子どものアレルギーに関するアンケート調査の企画書を出し、そのままNGOに転職しました。それが現在の活動の始まりです。調査は予算ゼロ、ひとりきりの作業でしたが、区内の全39の保育園の協力を得て、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーをめぐる、子どもの健康調査が実現しました。アンケートの回答用紙を見て驚きました。1,800通の回答のうち、余白欄にまで、びっしりとお母さんの想いが書かれたものが300通余りありました。このときお母さん達の相談の行き場がないことを痛感しました。

 

データ解析は学生時代の研究室の先輩に手伝ってもらい、調査結果は1993年にまとまりました。その頃、当時の厚生省も健康福祉動態調査で「国民の約3人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患している」と発表しました。私の調査も「園児2・26人に1人は何らかのアレルギーがある」という結果でした。アンケートの自由記述欄には、夫や姑の理解不足により一人で問題を抱えている母、かゆみで眠れない我が子と共に眠れぬ夜を過ごす母、食物アレルギーの我が子が食べられる食物を探す母の辛い思いが詰まっていました。

 

本質は「聞くこと」

学生時代から染み付いた聞き取り調査の手法が、「聞き取り」の活動に生かせるのではないかと考え、「相談」と「調査」を柱に据えた現在の団体を立ち上げました。設立から20年が経ちます。相談の本質は「聞くこと」で「教え・さとさない」ことが重要です。「ひとりで悩んでしまっている課題」を社会が共に解決する課題としてとらえ社会化するために日々活動しています。

 

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  • 特定非営利活動法人アトピッ子地球の子ネットワーク
  • アトピー・アレルギー性疾患がある患者とその家族を支援し、人と自然が共生し多様な価値を認めあい、誰もが共に生きることができる社会を目指しています。
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