福島県福島市/平成26年3月現在
施設相互の支援に車両の通行の許可が得られない
施設相互での支援を行う上で車両の通行も課題となりました。避難施設に対して緊急の物資を届けたり、避難施設の利用者を受け入れるために迎えに行こうと施設の車で移動する際、高速道路を「緊急通行車両」として通行することが許可されませんでした。今関さんは「災害時には交通の規制が大きくかかる。民間の施設同士で支援するためには、事前に関係する行政機関と調整しておくことが必要なことを痛感した」と話します。このことから相互応援の協定を結ぶ際、具体的な実施方法を明確にして行政当局が了解している状態にしておくことが重要になるといえます。
震災1か月後、避難者受入れに伴う課題も
震災から1か月が経過し、県社協では4月11日〜14日に2回目の調査を会員施設に対して行いました。この調査には第1回の緊急調査の2倍近くの275 施設が回答しています。1ヶ月にわたる県社協の真摯な取組みを通じて、施設が情報を集約する必要性を感じた一つの現れと考えられます。
状況の変化とともに、把握すべき情報も変わってきます。2回目の調査で今後支援すべきことをふまえて把握したのは次のような項目です。
2回目の調査では、施設機能を早期に回復させていく上でも「被害のあった建物・設備」の具体的な状況とその修繕に要する費用の全体像を把握しました。この調査では、約6割の施設で何らかの建物・設備等の被害があったことがわかりました。さらに、震災から1か月の時点では、県内の福祉施設において、「避難施設の利用者」を受け入れた人数が635 人、「地域の要援護者等」を受け入れた人数が697人にのぼっています。その内訳は図のとおりです。
村島さんは「あくまでも震災1か月後にようやく把握することができた人数で、おそらく3月には地域の要援護者がこの数にはとどまらず、さらに多かったと思われる。会津支部で沿岸部の浜通りの施設利用者を多く受け入れたとともに、中通りの施設でも厳しい環境の中でそれぞれの施設の努力で地域の要援護者等を受け入れていた。主には在宅サービスが休止することにより在宅での生活が困難となった地域の要援護者と思われるが、当時はこれ以上の詳しい具体的な状況を把握することが残念ながらできなかった」と、当時の状況をふり返ります。
そして、同調査で施設から上がってきている具体的な課題には、次のような内容がありました。
http://www.fukushimakenshakyo.or.jp/