(社福)福島県社会福祉協議会 社会福祉施設部会・協議会
支援につなげるためには、情報の集約と発信が大切
掲載日:2017年12月23日
ブックレット番号:3 事例番号:29
福島県福島市/平成26年3月現在

 

 

種別協議会に対する応援体制を

福島県社協では、その後、震災6か月後の9月に「東日本大震災における社会福祉施設状況調査(3回目)」を実施しました。そこでは回答施設の約半数で修繕が完了または一部完了しているものの、2割弱の施設で「修繕に着手できていない」「応急処理にとどまっている」という状況がわかっています。

10月には「地域包括支援センター災害対応活動等状況調査」を行い、その活動状況を把握しています。また、同月、障害児者福祉施設を対象に「災害時における利用者支援に関するアンケート調査」実施し、震災直後からの支援状況を把握しましたが、9割の施設が震災直後に速やかに避難できたものの、7割の施設がマニュアルの見直しを行うと回答していました。想定外の状況に対応した様子がうかがえます。さらに、平成24年2月には県内施設の深刻な人材不足に対応するため、「介護職員の人材確保及び避難者受入れに関するアンケート調査」実施しています。

村島さんは、大規模な災害時に県や市町村は住民への対応に追われ、「施設利用者は施設がなんとか支えてくれる」という状況になってしまうことを改めて強調します。そのため、県社協をはじめ種別協議会は、「行政が対応するかもしれない」ではなく、「とにかく即座に状況を把握して、『こうなっています』と施設のおかれている現状を逐次発信していかなければならない」と指摘します。

 

一方、福島県社協では、こうした状況把握と支援を職員3人の体制で懸命に行いました。都道府県・指定都市社協には災害ボランティアセンターと生活福祉資金の緊急貸付については都道府県を超えて事務局職員への応援が入るしくみがありますが、種別協議会同士にそのしくみが整えられていません。今関さんは懸命な支援に追われた日々をふり返り、大きく一つのことを後悔しています。あまりにも取組むべきことが多く、「事務所から動くことができず、避難した施設に足を運ぶことができなかった。やはり、避難した施設の現状を直接把握できていれば、情報のやりとりだけでは見えてこないニーズに対応できたのではないか」と話します。

こうしたことから、種別協議会の事務を経験している他県の職員が応援体制に入り、被災県の職員がより具体的な支援に動くことのできる体制づくりは今後の大きな課題といえます。また、福島県老人福祉施設協議会では、県内の支援体制として、災害時の被害状況を円滑に把握するために、衛星電話の設置や「ブロック単位」での相互応援を検討しています。

実際には、災害時のリーダーとして期待する種別協議会の役員が被災施設となり動けなくなることも想定されます。そうしたことからも種別協議会事務局の役割は重要なものとなります。

 

 

 

取材先
名称
(社福)福島県社会福祉協議会 社会福祉施設部会・協議会
概要
(社福)福島県社会福祉協議会 社会福祉施設部会・協議会
http://www.fukushimakenshakyo.or.jp/
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