石川県輪島市
能登半島地震で日本初の福祉避難所を設置
掲載日:2017年12月18日
ブックレット番号:3 事例番号:30
石川県輪島市/平成26年3月現在

 

ポイント

  • (1)在宅で生活していた高齢者のサービスが途切れる。その確保をまず考える必要がある。
  • (2)要介護高齢者で一般避難所に避難した方は、介護保険制度における介護保険施設等の緊急受入れで対応することとなり、要支援以下の高齢者で一般避難所での生活が難しい方は、福祉避難所に行く制度設計となっている。
  • (3)福祉避難所を指定するとともに、マニュアルの作成、福祉機器を確保する協定、設置・運営訓練を通じて具体化することが必要となる。

 

あらまし

  • 平成19年3月25日に起きた震度6強の能登半島地震では、地震の翌々日に厚生労働省が介護保険施設等で定員を超えて要介護高齢者を受け入れても差し支えないことを通知しました。輪島市では、震災当日から損壊した自宅又は一般避難所で生活する要介護者が老人保健施設、特別養護老人ホーム等17か所で定員の1~3割の超過受入れを行い、68人が2週間程度を過ごしました。これは既存の施設職員及び他の施設等からのボランティア職員が対応しています。そして、保健師、地域包括支援センター職員が一般避難所に避難している要支援以下の高齢者のうち、そこでの共同生活が困難な方の選定を行うとともに、市では4月4日、老人保健施設「百寿苑」に日本初の福祉避難所を開設することができ、6月5日までの63日の間に13人が利用しました。
    輪島市の河崎国幸さんは「福祉避難所の制度が想定している体制では要介護高齢者対応は難しく、制度そのものはまずは介護保険での定員超過の受入れが想定されている。福祉避難所についてこのことがあまり理解されていない」と指摘します。実際に輪島市の福祉避難所では、介助員が担ったのは日常生活上のお世話や相談でした。輪島市では、その後、この教訓を活かし、福祉避難所設置・運営の協定、マニュアルの作成、設置・運営訓練の実施に取組んでいます

 

 

取材先
名称
石川県輪島市
住所
石川県輪島市
http://www.city.wajima.ishikawa.jp/
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