(一社)全国食支援活動協力会
地域の居場所づくりサミット~食を通して育む“みらいを生きる力
掲載日:2018年3月23日
2017年11月 Topics

あらまし

  • 平成29年10月2日(月)、東京渋谷のキユーピー株式会社本社ホールで、一般社団法人全国食支援活動協力会(旧:全国老人給食協力会)主催の「地域の居場所づくりサミット~食を通して育む“みらいを生きる力”。」が開催されました。食育や食支援の関係者が約119人参加し、食がつなぐ地域の居場所づくりについて情報を共有しました。第1部では、平成29年4月に設立された一般財団法人キユーピーみらいたまご財団から、食育や食支援活動をしている20団体に対して第1回助成金授与式が行われ、第2部では、参加団体より「食の居場所づくり講座」が開かれました。

 

地域に広がる食支援と居場所づくり活動

「食の居場所づくり講座」の前半は、経験豊富な食支援の取組みを行う2団体から講演がありました。

 

主催団体の全国食支援活動協力会は、東京都世田谷区で昭和60年に発足し、全国各地に広がった活動団体が各地域に食に関するコミュニティとネットワークをつくり上げ、支援活動を積み重ねてきました。

 

平成28年の国民生活基礎調査データでは、単独世帯は32・5%、核家族世帯は57・3%と核家族化がすすみ、全世帯の約6割が孤食状態です。全国食支援活動協力会の事務局がある老人給食協力会『ふきのとう』は、昭和58年、冒険遊び場(現プレーパーク)運動に取組んできた世田谷の主婦達が、一人暮らし等の高齢者と出会うために会食会を始めました。「最近では、地域への食支援活動は、子どもたちの孤食等の解消のため〝多世代が集う共生の居場所づくり〟へと発展し全国に広がりを見せている」と全国食支援活動協力会専務理事で(社福)ふきのとう会理事長の平野覚治さんは話します。

 

大田区で「だんだんこども食堂」を主宰する近藤博子さんは、平成20年「きまぐれ八百屋だんだん」を始め、平成21年子どもたちへ学習支援をする「ワンコイン寺子屋」、平成24年「だんだんこども食堂」を立ち上げました。はじめから居場所づくりを考えていたわけではなく、娘の勉強の相談や、ある先生から聞いた児童の話が活動のきっかけです。「子どもがひとりで入っても大丈夫な食堂」として、親子、高齢者、ボランティアも利用する「安心できる居場所」となっています。

 

5年目になるだんだんこども食堂は、「八百屋の収入があり、食堂だけではないので継続できている」と話します。地域や行政との連携として、学校とサマースクール教室を開催し、大田区の会議の公募委員を務めています。「とにかく具体的に動いてみることが大事」と近藤さんの活動は多方面にわたります。

 

運営ノウハウを情報共有する

全国各地に広がる「子ども食堂」について、これから始めたい方はその立ち上げから運営までのノウハウを求めています。後半のクロストークでは、任意団体「子どもの未来サポートオフィス」代表の米田佐知子さんがファシリテーターとなり、助成団体を含む4団体から、活動のきっかけや運営の課題、気づきを発言してもらいました。

 

大阪市旭区の「高殿こども食堂あのね」代表の永田華子さんは、自身が子ども食堂を立ち上げた経緯について報告しました。ワーキングマザーで時間もお金も専門性もなく、「無理」だと思って足踏みしていた気持ちが、実際に活動している方の、講演会がきっかけで話を聞いただけで満足している自分に気づき、「まずはやってみる」と第一歩をふみ出しました。近所のママ友と永田さんの夫の賛同と協力があり、子ども食堂を立ち上げました。場所は、民生児童委員経験のある近所の友人の協力により公民館を確保できました。

 

しかし、課題もありました。公民館に調理スペースがないため、永田さんの自宅で事前に調理し、公民館まで荷車を使って運び込みます。1回の開催に食費が2万円はかかるので、常時食材の提供を募っています。最近は、ボランティアでつながった人脈を通じて、フードバンク、個人・企業からの寄付、助成金を利用する等協力者が増えています。

 

子ども食堂の場所の確保について、千葉県佐倉市のNPO法人ほっとすぺーす・つき「こども食堂つき」理事長の田代和美さんは「使用料は毎月負担になる。また、借り続ける場所が確保できず、休止したところも多い。まず、場所の確保ができれば大変な思いは感じにくい」と話します。「場所が見つかって、賛同する仲間が3人集まれば、始められる」と渋谷区こどもテーブル「ささはたっこ」代表の森下利江さんも言います。

 

安全の確保も課題に

安全面については、食の衛生面と送迎時の安全確保が懸念されます。衛生面では、十分な調理スペースがないところでは持ち込みも多く、食品衛生への配慮が必要で、カレー等の限定的なレシピが多くなりがちです。子どもはカレーが好きで人数の調整がしやすいことも理由の1つにあげられます。送迎面では、帰宅する子どもが1人の場合は男性スタッフが自宅玄関前まで送り届け、夜間になる場合は親が送迎する約束を交わしている子ども食堂もあります。

 

訪れた子どもが、「ここは安心して過ごせる場」と思える居場所をつくりたい。子どもたちを地域で見守り支える“居場所づくり”のヒントが「子ども食堂」には、たくさんちりばめられていました。

 

子ども食堂の3つの類型をパネルで紹介
(1)困難を抱える子ども対象型 (2)居場所・交流型 (3)食育型

 

パネラー4人の体験談を交えたクロストーク

 

活動を応援する助成金の授与式

 

取材先
名称
(一社)全国食支援活動協力会
概要
一般社団法人全国食支援活動協力会(旧:全国老人給食協力会)
http://www.mow.jp/

老人給食協力会『ふきのとう』
http://fukinotoh.mow.jp/

きまぐれ八百屋だんだん
https://ameblo.jp/kimagureyaoyadandan/

子どもの未来サポートオフィス
http://kodomomirai-so.com/

高殿こども食堂あのね
https://www.facebook.com/takadono.kodomo.anone/

NPO法人ほっとすぺーす・つき
http://hottospace.com/

渋谷区こどもテーブル「ささはたっこ」
http://shibuyaku-kodomo-table.jp/event/002-2/
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