(社福)東京都社会福祉協議会
会員施設、区市町村社協からの情報把握訓練を実施
掲載日:2017年12月13日
(社福)東京都社会福祉協議会
ブックレット番号:3 事例番号:34
東京都新宿区/平成26年3月現在

 

東京都社会福祉協議会(以下、東社協)では、平成25 年10 月16日に台風26 号が伊豆大島に土石流災害をもたらした際、大島社会福祉協議会、民生児童委員、福祉施設の状況を電話で確認しました。確認した内容はそれぞれの施設種別の部会等で情報を共有するとともに、東社協ホームページに掲載しました。

 

その経験から災害時にいかに福祉関係の被害状況を適切に把握するかが課題と考え、東社協では同年11 月に災害時を想定した施設、社協からの情報把握訓練を実施しました。訓練を実施するにあたっては、局内にワーキングチームを設けて、把握すべき情報の項目を検討しました。こうして実施した訓練は把握する側の東社協職員、情報を伝える側の施設等職員の双方で気づかされることが少なくありませんでした。

 

情報把握シートの検討

11 月に実施する訓練に向けて局内の関係部署で設置したワーキングチームでは、災害時の情報把握のあり方を検討するにあたって、まず、情報を把握する目的は何かということから議論しました。会員組織として情報を把握した上で施設部会や社協のネットワークを活かした支援を行っていくことが主たる目的になります。被害を受けている、どういう被害かという情報が重要になってきますが、被害がなかったということも大切な情報となります。

 

把握すべき項目の検討では、必要最低限をどう決めるかがポイントになりました。項目をあらかじめ決めなければならない理由として、把握する人によって把握できる情報が異なっていてはいけないということがあります。一方、項目を決めすぎるとそれにあてはまらない具体的な情報が把握できないことも悩みどころでした。さらに、把握すべき項目は災害発生当日と翌日以降では異なってくること、把握する方法はどうすれば被災している側にとって負担が少ないのかも議論となりました。

 

こうした議論を経て、不十分ながらもとにかく訓練を実施してそこで必要な見直しを行っていこうと、情報把握シートの原案を作成しました。シートは①災害発生当日用、②災害発生翌日以降用に分けて作成しました。今回は電話により情報を把握することを想定してシートを作成しています。

 

「災害発生当日用」では、1回目の連絡でまだ十分に情報が得られない場合も想定されるので、1回目の連絡後に継続把握の必要性を判断して、必要な場合には2回目の連絡を行うこととしました。1回目と2回目の結果は1枚のシートで見られるようにしました。

 

当日用の項目は、以下のように定めました。

 

 

「災害発生翌日以降用」では、当日の連絡で継続把握が必要と判断した施設に対して引き続き情報把握を行うシートです。翌日以降用の項目は、以下のように定めました。

 

また、当日用、翌日用とも、項目をチェックすると同時に各項目に自由記載欄を設けています。聞き取った具体的な内容を記載できるようにするためです。

 

情報把握訓練の実施

訓練は青梅市と瑞穂町の社協、施設に協力してもらって実施しました。特別養護老人ホームが「みずほ園」「不老の郷」「良友園」「フラワープラム」の4か所、知的発達障害施設が「青梅学園」「友愛学園成人部」「花の里」の3か所。それに加えて青梅市社会福祉協議会と瑞穂町社会福祉協議会です。

 

訓練に先立ち、協力施設と社協に集まっていただき、シートも事前に渡しました。設定した「午前10 時頃、立川断層を震源とする地震が発生し、西多摩地域において、震度5強の地震が観測された。西多摩地域の多数で地滑りやがけ崩れなどの被害が発生。停電している地域もある」という想定であらかじめ各施設・社協に被害想定を内部で検討しておいていただくことにしました。

 

そして、11 月22 日の訓練当日。あらかじめ決めておいた時間に東社協職員が協力施設・社協に電話をしました。訓練では、1回目の電話で災害発生当日、2回目の電話で災害発生翌日以降を想定して聴き取りを行いました。聴き取った結果を一覧にまとめ、各地域で他の施設も含めた被災状況がお互いにわかるように一覧を送付するところまでを訓練としました。

 

取材先
名称
(社福)東京都社会福祉協議会
概要
(社福)東京都社会福祉協議会
https://www.tcsw.tvac.or.jp/
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