(社福)東京都社会福祉協議会 保育部会
「第62回東京都保育研究大会」を開催
掲載日:2018年7月11日
平成30年6月

 

東京都社会福祉協議会保育部会では、平成30年6月12日(火)~13日(水)に、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、「第62回(平成30年度)東京都保育研究大会」を開催しました。都内の公私立保育園や、教育・行政等の保育関係者が1日目582名、2日目564名が参加しました。

 

東京都保育研究大会は、昭和29年7月に東京・新宿で開催された東京都保育事業緊急大会を起源としています。開始以来、都内の公私立保育所関係者が集まり、保育と子ども・子育てのあり方の研究の場として開催しています。

 

今大会では、「すべての人が子どもと子育てに関わりをもつ社会の実現をめざして~子どもの育ちを保障する保育~」を主題として、2日間にわたり保育所の社会的意義とその役割、保育実践を報告し、その取組みについて議論を深めていきました。

 

1日目の全体会は、基調講演として東京大学名誉教授の汐見稔幸さんが「これからの幼児教育のあり方」をテーマに、平成30年4月に保育所保育指針が10年ぶりに改定されたことをふまえ、保育園に求められる役割について話しました。また、バイオリニストの増田太郎さんによる記念公演もありました。

 

東京大学名誉教授の汐見稔幸さんによる基調講演

 

バイオリニストの増田太郎さんによる記念公演

 

2日目は、「子どもの育ちを保障する」「多様な連携と協働で、子育てライフを支援する」「子どもの心身の健全な発達を考える」の3つのテーマに基づいた9つの分科会において、日々の実践や研究、その成果について発表がありました。

第5分科会の「配慮が必要とする子どもや家庭への支援にむけて」では、2か所の保育園からの実践報告がありました。

 

第5分科会の様子

 

まず、(社福)八晃会宝光保育園は、人との関わりが苦手等の「困り感」を感じている対象児童に対しての取組みについて発表しました。保育園が専門医療機関とつながり、協力と助言を得ながら、対象児童が集団生活するうえでの困りごとを、保育士が端的に伝える等一つひとつ対応し工夫することで減らしていきました。また、両親の気づきと理解を得る働きかけをしたことで、小学校就学にむけてのステップとして就学相談等へつなげることなど、保護者との連携と面談の積み重ねがポイントという発表でした。

 

次に、足立区立千住保育園の取組みは、対象児童と母それぞれへの対応、そして小学校へとつながる支援の実践報告を行いました。保育園生活を送るうえで、4歳児クラスの頃から対象児童への保育上の悩みごとがあり、同時に、母への対応に否定的な発言は控える等の配慮が必要でした。その後、母への定期的な声掛け等の丁寧な対応や、保育園と小学校との連携が、その後の特別支援教育へとつながります。保育から教育へと移る過程では、「就学支援シート」のあり方など支援の課題が見えてきた事例でした。

 

日々の保育の実践から、実際の経験と手立てを報告することで、子どもと保護者への対応力等を向上させるための学びあいの場となりました。

取材先
名称
(社福)東京都社会福祉協議会 保育部会
概要
(社福)東京都社会福祉協議会 保育部会
https://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/hoiku/index.html
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