(社福)立川市社会福祉協議会
社会福祉法人が「ともに取組む」ために〜ネットワーク全体の取組みから地域のニーズに合わせた取組みへ〜
掲載日:2019年1月8日
2019年1月号 連載

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あらまし

  • 平成28年9月に設立した東京都地域公益活動推進協議会は、(1)各法人、(2)地域(区市町村域)の連携、(3)広域(東京都全域)の連携の三層の取組みにより、社会福祉法人の「地域における公益的な取組み(以下、地域公益活動)」を推進しています。東京都地域公益活動推進協議会では、地域ネットワークの立ち上げのための事務費や、複数法人の連携事業開始時期の事業費の助成を行うとともに、地域ネットワーク関係者連絡会等を開催し、他の地域と情報交換できる機会をつくっています。

 

立川市では、平成27年9月に「立川市社会福祉法人地域貢献活動推進ネットワーク」が設立されました。そして、29年2月、立川市と市内の各法人の間で「災害時における災害活動等の支援に関する協定書」を締結しました。さらに「社会貢献・地域貢献事業に関するアンケート調査」を実施。当初からの「全法人でともに取組もう」という理念を大切に、社会福祉法人による取組みを企画・推進しています。

 

 

 

市内全法人に呼びかけた

平成27年9月9日、立川市社協と立川市の呼びかけにより、市内で社会福祉事業を実施している社会福祉法人が集まり、「社会福祉法人の社会貢献事業に関する情報交換会」(現在、「立川市社会福祉法人地域貢献活動推進ネットワーク」に改名。以下、「ネットワーク)」)が開催され、市内13法人30事業所が参加しました。社会福祉法改正の動向を共有するとともに、各法人が取組んでいる事業などについて情報交換を行いました。呼びかける際には、立川市社協が市内の各法人へ赴き、「法改正があったことやネットワークの構想、ぜひ一緒に取組みたいという気持ち」を丁寧に説明しました。ネットワークがはじめから大切にしてきたことは、「全法人でともに取組もう」という姿勢です。業種を越えて各法人ができる実践を出し合うことで、地域にある狭間の課題やニーズに応じるため立川市内の法人が連携して取組んでいくことになりました。

 

ネットワークでは、7人の役員で構成する幹事会を中心に、今後の企画や取組みをすすめていく体制を整えました。事務局は立川市社協に置いています。30年度現在、ネットワークは市内27法人、76事業所で構成されています。

 

協定の締結までの動き

幹事会では、ネットワークとして異なる分野と規模の違う法人が共通して取組めることを協議していきました。各法人が得意とすることを活かしながら、地域が必要とする「災害時の地域活動の支援」の実施を検討し、具体的な取組みにむけて準備をすすめました。そして、ネットワークの幹事会から立川市へ提案すると、福祉避難所設置などの災害時の取組みについて「意義深い」と判断され、その後、立川市、ネットワークの幹事会、立川市社協の3者で打合せを重ねていきました。また、各法人へアンケートを実施し、災害時に各法人が取組む支援活動の内容を洗い出しました。その結果をもとに、「法人ごとの支援活動メニュー」を法人間で共有しました。

 

そして、29年2月1日、立川市内の各法人と立川市との間で「災害時における災害活動等の支援に関する協定書」と「覚書」を締結しました。これは立川市と協議しながら作成した共通の様式を使用しています。具体的には、要配慮者等の受入れ、備蓄品の提供、支援物資提供拠点としての場所の提供、応急・復旧に必要な応援職員の派遣などです。締結にあたって、立川市の各課との調整は、立川市福祉総務課と立川市社協が担いました。

 

 

 

市内の各社会福祉法人と立川市が締結した「災害時における災害活動等の支援に関する協定書」

 

さらに29年7月には災害時における要配慮者の現状や課題について、社会福祉法人としての役割と理解を深める目的で講演会を開催しました。講演会後のアンケート結果やネットワークの幹事会から要望もあり、30年2月には現場職員向けに災害対応能力向上に関する研修「BHELP標準コース」を実施しました。参加者からは、「避難所でどのような支援が必要なのか理解できた」「事業継続のため、事業所と地域との連携を考えるときに役立つ」と評価する声が多く、今後も研修する機会を設ける予定です。

 

地域懇談会でニーズを洗い出す

29年10月、各法人へ社会貢献・地域貢献事業に関するアンケート調査を実施し、各法人が行っている取組みを文章化することで、法人間や施設・事業所間で情報共有していくことができました。その結果を材料にして、6圏域ごとの地域福祉コーディネーターが中心となった「地域懇談会」を行っています。立川市社協第5地区担当の地域福祉コーディネーター主任である安藤徹さんは、「フラットに話せる関係や雰囲気づくりを心がけ、参加した事業所の職員同士が話しやすいよう配慮した」と工夫していることを話します。

 

30年11月26日に開催した第5地区地域懇談会は、高齢・保育・障害の異なる分野から9人の参加がありました。自己紹介を兼ねて事業所の取組みを紹介。その後のグループワークでは、参加者の施設が記された第5地区のマップを用いて、グループごとにマップを見ながら「自然が豊か」「地元のつながりが強い」「福祉施設が多い」など地域の特徴と強みをあげていき、地域課題を抽出しながら、どのように課題を解決したら良いか意見を出し合いました。そして、それぞれの課題に対する今後の取組みについてグループごとに発表しました。グループワークを通じて、身近な地域の特徴や強み、課題などを視覚化することにより、わかりやすく実態を把握できます。また、異なる業種同士が話し合うことでお互いの事業に対する理解と横のつながりが深まりました。

 

安藤さんは「法人間の連携は、今日からがスタートだと思っている。この後施設に戻って、それぞれ知り得た情報を共有してもらうことが大切。早目に各事業所を訪問し、懇談会での気づきを出し合いたいと思う」と話します。
地域懇談会からあがってきた地域ニーズが、これからネットワークとしての具体的な活動につながっていくはずです。法人が主役の活動ですが、地域福祉コーディネーターには具体的な活動や事業へとむすびつける役割があります。

 

左)立川市社会福祉協議会 地域活動推進課経営総務係   係長 枝村 珠衣さん
右)立川市社会福祉協議会 第5地区担当地域福祉コーディネーター   主任 安藤 徹さん

 

今後めざすこと

立川市社協地域活動推進課経営総務係の係長枝村珠衣さんは「防災協定締結によりともに取組む意識が固まった。今後は息長く続けていけるような活動をしたい」と言います。続けて、「これからは市内各地区の地域特性や課題に応じて取組むことも考えていきたい」と話します。

 

30年8月、先にも述べた通り、社会福祉法人の社会貢献事業に関する情報交換会」から「立川市社会福祉法人地域貢献活動推進ネットワーク」に会名を変更しました。立川市内に社会福祉法人の役割を明確に打ち出し、より一層地域貢献を推進していきたいという想いがこめられています。

地域懇談会で発表された今後の取組み内容は、32年度からの「地域福祉市民活動計画」の策定プロセスでも活用される予定です。

 

第5地区地域懇談会の様子

 

マップを活用したグループワーク

 

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取材先
名称
(社福)立川市社会福祉協議会
概要
(社福)立川市社会福祉協議会
http://www.tachikawa-shakyo.jp/
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