松下 美菜子さん
育休中のママが自分のスキルを活かせるボランティア
掲載日:2019年2月8日
2019年2月号 くらし・今・ひと

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松下 美菜子さん

 

あらまし

  • これまでの仕事やスキル、経験を活かしてNPOなどの活動を支援しながら、自身の育休復帰や再就職への一歩を踏み出すママのための期間限定プログラム「ママボノ」に参加した松下美菜子さんにお話を伺いました。

 

他職種の人と交流しながら新たな経験がしたい

ママボノは、仕事で培った経験・スキルを活かした社会貢献活動(プロボノ)に、子育て中のママが取組める場です。 6名前後のチームでNPOなどを支援します。約2か月という限られた期間で、子ども連れで参加できるため、育休中のママが多く活躍していました。

私がママボノを知ったきっかけは、2人目を妊娠中にSNSでママボノに参加した友人の投稿を見たことです。興味はあったものの、「私が提供できるスキルってなんだろう?」と不安がありました。しかし、せっかくの育休中、新しい経験により得るものがありそうだと思い、やってみることにしました。

 

活動内容は、まず平成30年10月上旬にチームメンバーとの顔合わせからはじまりました。メンバーは職歴も住んでいる場所もバラバラで、唯一の共通点は「ママ」ということ。支援先(商店街)のニーズ「地域の人を支える福祉活動が商業振興につながることを市内の商業者に伝えたい。共感してくれる仲間を増やすためのパンフレットを作成してほしい」に対し、どのように取組むかメンバーと検討をはじめました。次に10月中旬に支援先団体との顔合わせです。こちらが準備した仮説をもとに先方の考えと熱い想いを聞き、成果物について打合せをしました。

 

ママボノは「大人の社会科見学」

支援先への理解を深めるためにステークホルダーを対象に行ったヒアリングは、醍醐味のひとつでした。カフェ店主や地域包括ケアに取組む医師等に、「なぜこの仕事をはじめたのか」「どのような想いで福祉活動に取組んでいるか」など、普段の生活では聞けない話を聞けたことは楽しかったです。そのほか、私はパンフレットに掲載するための市内の現状に関するデータ収集やグラフ化を担当しました。これまで仕事でパワーポイントやエクセルを使用していたことがここで活かせました。

 

普段の会社生活とは違いママボノならではだと感じたのは、メンバー間のコミュニケーションです。会社では上司・部下という関係や役割分担があります。しかし、ママボノではチームリーダーという役割のみで、成果物の完成に向けてそれぞれがスキルや経験を活かして率直に意見を出し合えました。メンバーの意欲的な姿勢を見て、仕事へのモチベーションが上がりました。

 

また、メンバー全員がママなので、子どもが風邪をひいたときなどには「代わりにやるよ」と声をかけ、助け合う雰囲気ができており、とても居心地が良かったです。育児についてだけでなく、仕事の話や復職後の不安、今後やりたいことなどの雑談も刺激的でした。メンバーの中には、子育てをしながら働く復職後のシミュレーションになったという声もありました。

 

メンバーからのフィードバックが財産

11月下旬の成果報告会では完成した成果物をほかのチームに発表しました。メンバー同士でお互いの良さや強みもフィードバックし合いました。職場もスキルも異なる社外の人に客観的に自分を評価してもらう機会は今まであまりなかったので、貴重で嬉しく、ママボノに参加して良かったことのひとつです。

 

私は4月に復職予定です。1人目のときは時間に追われ目の前の仕事で精一杯でした。復職後はママボノの経験から、任された仕事にもっと自分の想いを盛り込むことを心掛けようと思います。

 

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