村田真依子さん
興味のあることに貪欲に取り組んでいきたい
掲載日:2019年11月7日
2019年10月号 くらし今ひと

 

 

あらまし

  • 大学卒業後、社会福祉士資格の取得を目指し、専門学校に通う村田真依子さんに、社会福祉を学ぼうと思ったきっかけや今後の目標についてお話をいただきました。

 

自分の知らない世界があることを知った

高校3年生の時に、授業でたまたま観た映画「誰も知らない(2014年/日本)」でネグレクトの実態を目の当たりにし、「現実でこんなことが起こっているなんて知らなかった」と大きな衝撃を受けました。また、同じ時期にLD(学習障害)の新聞記事を見つけ、自分が今までに感じたことのない感覚や世界観をもつ、”発達障害”に関心をもつようになり、夢中になって調べました。このような経験から、児童福祉について学びたいと思うようになり、当時親身に進路相談に乗ってくれていた先生からの勧めで、心理学を学ぶことができる大学に進むことを決めました。

 

大学では、知らないことを知ることが楽しく、臨床心理、認知心理、社会心理など、興味のある分野は全て学びました。また、現場で子どもたちと関わりたいという思いから、放課後児童クラブのアルバイトや、児童養護施設でのインターンシップなどを経験しました。

 

子どもたちを取り巻く環境にアプローチすることの大切さ

放課後児童クラブでは、個別に配慮が必要なお子さんのサポートを行っていました。アルバイトを通じて、お子さんの特性に応じた関わりが必要だと感じたと同時に、子どもたちは共働きの家庭や、ひとり親の家庭など、さまざまな背景の中で生活していることに気づきました。また、その生活背景がお子さんの成長や発達に大きく影響することを実感しました。

 

児童養護施設でのインターンシップは、大学4年生で就職を視野に入れてのものでしたが、子どもの発達や、児童福祉の知識がないなかでお子さんたちと接することに不安を感じたことを覚えています。実際にお子さんたちと関わるまでは、子どもと支援者の一対一の関係で支援が成り立つと思っていましたが、お子さんの生活背景を知り、地域や家族を巻き込んだ支援が必要だということを学びました。ちょうどその時に、大学の講義でソーシャルワーカーの存在を知る機会がありました。社会福祉士は、”環境を調整し、関係機関と連携する専門家”だということを知り、深く学びたいと思うようになりました。

 

ソーシャルワークは底が見えない深くて大きな海のよう

現在は社会福祉士の資格を取得するため、専門学校に通っています。資格を取得すれば、就職まで間近だと考えていましたが、実際に学んでみて、福祉の仕事は沢山あるのだということに気づきました。また、どの仕事も一人で成り立つものではなく、支援者間の連携が必須であるということもわかりました。

 

ソーシャルワークを行う上で必要な専門知識はとても幅広く、学んでいると底が見えない深くて大きな海の中に飛び込んだような感覚に陥りますが、自分のこれまでの知識や経験を振り返りながら、一つひとつ学びを深めていきたいと思っています。

 

学び続ける姿勢を忘れず過ごしたい

専門学校に通いながら、児童福祉以外の分野も見てみたいと思い、新しいアルバイトをはじめました。学校のレポートに加え新しいアルバイトと、慣れるまでに時間がかかりましたが、現在は新しい生活リズムの中で、楽しみを見つけながら過ごしています。疲れたなと感じた時は、大学時代の友人や、同じ志をもった専門学生同士で話をしたり、ゆっくり睡眠をとることで発散することができています。今は児童福祉に関する仕事に就きたいと考えていますが、学びを深めるなかで、視野が広がるかもしれません。もし、そうであっても今までの経験が必ず活きてくると思うので、これからも興味や関心を原動力に、すすんで学ぶ姿勢を忘れず過ごしたいと思っています。

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