(社福)原町成年寮 生活介護事業所アンジュ 支援員 池上大輔さん
第二の人生は、 利用者さんとともに歩んでいきたい
掲載日:2019年12月26日
2019年12月号 福祉のおしごと通信

池上大輔さん

 

あらまし

  • 一般企業で25年間勤めた後、障害者施設に転職し4年目を迎える池上さんに、
    転職のきっかけや、お仕事の魅力について、お話しいただきました。

 

家族の後押しがきっかけで福祉の道へ

社会福祉法人原町成年寮に就職して4年目になります。福祉の仕事に就くまでは、一般企業でアミューズメント施設をトータルプロデュースする仕事をしていました。福祉とは全く関わりのない仕事でしたが、原町成年寮で働いている幼なじみから、施設のイベントにボランティアとして誘われて参加するなど、年に数回関わる機会がありました。

 

転職を決意したのは50歳という節目を迎えた時に、「心機一転、新しいことに挑戦してみたい」と思ったことがきっかけです。その時に脳裏をよぎったのが、施設のイベントで関わった障害がある利用者さんの笑顔でした。ボランティアへ行くと、利用者さんが笑顔で話しかけてくれ、とても元気をもらえたことを覚えていました。また、イベントはいつ参加してもとても楽しい気持ちで過ごすことができていました。利用者さんとともに、第二の人生を歩んでみたいと思ったのです。

 

とはいえ、25年間勤めた仕事を辞めるのは簡単ではなく、一歩踏み出す勇気が必要でした。背中を押してくれたのは、家族の「やってみてもいいんじゃない」という一言です。この一言がなければ、福祉の道にすすむことはなかったと思います。生活が大きく変わることを受け入れ、ともに歩んでくれている家族にはとても感謝しています。

 

利用者さんとの関わりから学ぶ

就職して1年目はグループホームに配属となりました。ここでは、担当する利用者さんの健康管理や金銭のやりくり、就労時の様子の確認とサポートなど、生活に寄り添った支援を行いました。一人ひとりの人生を深く知る必要があるため、責任とやりがいを感じました。一方で、障害特性や支援方法、関連制度に関する知識がないなかでの支援であったため、利用者さんとの接し方や制度などは日々勉強でした。

 

今年4月からは、生活介護事業所へ異動になりました。ここでは、軽作業や余暇活動など、日中生活の支援を行っています。利用者さんのなかには、コミュニケーションが苦手な方もいます。はじめは利用者さんの想いを汲み取ることが上手くできなかったのですが、日々接しているうちに、少しずつコミュニケーションが図れるようになってきました。

 

異動してから印象的だったことは、グループホームに所属していた時に担当していた利用者さんの日中の顔が見られたことです。グループホームでは物静かな利用者さんが、生活介護事業所ではとても明るい表情で過ごしていました。グループホームでは家の顔、生活介護事業所では外の顔があることを、両方の部署を経験して初めて知りました。
利用者さんとの関わりから学ぶことはとても多いです。

 

人生経験が活かせる仕事

前職は福祉とは全く異なる仕事でしたが、経験が活かされていると感じることがあります。

 

一つは、営業時代に培ったプレゼンテーション力です。自ら行ったプレゼンテーションで複数事業所の中から軽作業の委託先に選ばれた時はとても嬉しかったです。また、ビジネス文書の書き方等を職場のスタッフに伝えることもあります。

 

特に役立っているのは大型自動車免許です。これは父が運送会社を経営していたため取得したものです。現在、外出支援の際にバスの運転手を任されています。

 

入職当初は「福祉の業界で、知識がない自分ができることはあるのだろうか」と思うことがありました。しかし、一人ひとりの人生に寄り添う仕事だからこそ、自分の人生経験がさまざまな場面で活かせることを知り、改めてやりがいのある仕事だと感じています。

 

まだ「5歳」。これからも成長し続けたい

転職を決意してから5年が経ちました。新しいことの連続で、とても刺激的な毎日を送っています。

 

現在は、より専門的な知識を得るために、社会福祉士の資格取得を検討しています。人生100年時代と言われるこの頃、55歳を迎える私はまだ「5歳」の気持ちです。残りの人生を有意義に過ごし、これからも成長し続けていきたいと思っています。

 

プロフィール

  • 池上大輔 Daisuke Ikegami
  • 社会福祉法人原町成年寮
  • 生活介護事業所アンジュ 支援員
取材先
名称
(社福)原町成年寮 生活介護事業所アンジュ 支援員 池上大輔さん
概要
(社福)原町成年寮
https://www.haramachiseinenryo.com/
タグ
関連特設ページ