(社福)やぎ
全壊した障害者施設「八木園」再開までの取組み
掲載日:2017年12月19日
ブックレット番号:4 事例番号:47
広島県広島市/平成27年3月現在

 

ポイント

  • (1)全壊した障害者施設が、被災から3週間弱で2か所に分かれてでも作業所を再開できた。
  • (2)自閉症のある利用者が、別の場所にある作業所の環境でも普段から知る職員がいれば、安心できた。
  • (3)災害により自宅待機となった障害者ができるだけ早く日中の居場所を確保できることが大切だ

 

あらまし

  • 社会福祉法人やぎの障害者施設「八木園」は、平成26年8月豪雨により広島市の土砂災害で豪雨および土砂崩れに巻き込まれましたが、利用者および職員は、施設内におらず、全員無事でした。利用者全員に安否確認および休園の連絡を行いました。事務所と作業場は全壊。1つだけ建物は残っていましたが床から1mの高さまで土砂と瓦礫が入り込み、傾斜していました。被災から2週間後、2か所に分かれて作業所を再開することにしました。2か所で実施するには、改めて職員の配置や連絡体制を検討しなければなりませんでしたが、9月8日に再び作業所を開始することができました。自閉傾向のある利用者にとって、環境の変化は大きな不安を生み、家族はケアをするために仕事を交代で休んで対応していました。再開までの利用者支援を担当した山脇智鶴さんは、「慣れない環境でも、職員など普段から知った顔があると安心することがわかった。自宅待機を余儀なくされた場合、一時預かりであっても、できるだけ早く日中の居場所を確保することが大事。利用者はもちろん、利用者の家族の負担も軽減できる」と指摘します。
    2か月後、5年間無償という条件で独身寮を八木園の新たな作業所として利用できることになり、一つの作業所として再び統合できました。5年間使われていなかった建物では通信機器の設置や水道の修理等が必要で、活動を軌道に乗せるための作業は続いています。再開まで一つひとつのやりとりを通して、普段から地域とつながることの重要性も見えてきました。

 

取材先
名称
(社福)やぎ
概要
(社福)やぎ
https://yagien.amebaownd.com/
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