まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ 綾部庄一さん
皆がつながる、オープンな地域にしていきたい
掲載日:2020年4月7日
2020年3月号 くらし今ひと

「まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ」代表 綾部庄一さん

 

あらまし

  • 西荻窪駅南側の商店街の中にあるコミュニティスペース「まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ」の代表を務める綾部庄一さんにお話しいただきました。

 

◆民生児童委員になり、地域に関心を持った

定年を迎えるまで地域で活動することもなく、仕事に邁進していました。64歳の時、病気を患い会社を退職しました。その時、地域の民生児童委員の方から民生児童委員にならないかと声掛けがあり、これが地域と関わり始めたきっかけとなりました。

 

元々多くの人とともに仕事をしていたこともあり、人とつながることに興味がありましたが、地域に人脈がなく地域の事を知るためにまず、神社の世話人会に参加しました。

 

その後、地元の西荻地域区民センター協議会委員になり、総務、広報係を担当し、民生児童委員の地域活動と合わせて地域に参加していきました。

 

すぎなみ大人塾(※)に通ったことも大きな転機でした。ここでは地域のために活動しているさまざまな人と交流し、沢山の仲間が出来ました。それが地域で活動をしていく私にとって大きな力となり、自信につながりました。

 

さまざまな活動を続けていくなかで、民生児童委員の任期終了とともに「今後どういう活動をしていくか?」と考えました。民生児童委員の活動を通じて、少子高齢化、一人暮らし世帯の増加など地域の現状を知り、地域の全体を見ることができました。このような経験から、高齢者の居場所をつくりたい、皆で活動できる場所をつくりたいと思うようになりました。

 

(※)すぎなみ大人塾:「自分を振り返り、社会とのつながりを見つける大人の放課後をキャッチフレーズとした学びの場」のこと。(杉並区ホームページより)

 

◆皆が参加できる場所にしたい

まず、月1回のきずなサロンを立ち上げました。当初は区民センター集会所で開催し、地域の「あさ市」がある時は40~50名集まりました。しかし、集会所の利用が抽選形式となり、場所を確保するのに苦労するようになりました。その頃、地元の個人経営のスーパーが閉店するという話を聞きました。地域に親しまれていたスーパーで店主も理解のある方だったので、地域の交流場所として使いたいと申し出たところ、快諾してくれました。

 

サロンや民生児童委員などの仲間と3か月ほど準備会を設け、床をみがいたり、壁を塗り替えたりしました。そして、平成30年10月に地域の居場所として「まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ」をオープンしました。

 

 

西荻みなみでは杉並区社協の協力も得ながら、各種サロンや「お誕生会」、「うた声喫茶」、子ども達の居場所「子どもぷれいす」などの活動が定期的に行われています。

 

地域の活動は個々で完結していることも多いですが、西荻みなみはそれぞれの活動を継続しつつ新しいもの、地域に開いていくことが出来るオープンな場所にしたいと思い、活動しています。参加費も最大500円以下と高額にならないように注意しています。

 

地域で活動していくなかで大事なことは、いろいろな場面で学び、気づくことだと思います。

 

そう思うのは、イベントに参加される方の表情が変わっていくことが印象的だからです。「うた声喫茶」に初めて参加された時に難しい顔をしていた方が歌を歌うと笑顔になったり、不登校だった子どもが「子どもぷれいす」に通ううちに人と交流することに慣れ、笑顔になり、学校に通うようになりました。交流していくうちに信頼関係が生まれ、参加者だけでなく、スタッフもいろいろな気づきを経て変わっていきます。

 

 

◆後継者につなげていく

私はこれまでの経験から全ての活動は社会福祉につながっていると思っていて、それを周りに伝えていきたいです。そのため、PTAのOBの方々などに声をかけ、今後は、地域の後継者の育成に力をいれていこうと思います。未来を見据えて、皆と力を合わせて、活動を継承していきたいです。

取材先
名称
まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ 綾部庄一さん
概要
まちナカ・コミュニティ 西荻みなみ
https://nishiogi-machinaka.org/
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