(社福)東京コロニー 東京都大田福祉工場 犬塚睦実さん
めざす就労への道のりを共に歩んでいきたい
掲載日:2020年4月28日
2020年4月号 福祉のおしごと通信

チームでコミュニケーションを取りながらの作業風景(左端が犬塚さん)

 

あらまし

  • 社会福祉法人東京コロニー 東京都大田福祉工場で就労支援課長として日々奮闘する 犬塚睦実さんにお話いただきました。

 

真剣に作業に向かう姿が元気の源

社会福祉法人東京コロニーに入職して7年目になります。印刷事業を軸として、身体・精神・発達・知的の障害のある方や、難病の方の就労支援事業を行っています。
 
福祉の仕事に就きたいと思ったのは、大学で心理福祉を専攻し福祉施設に実習に行く機会があり、社会にはいろんな人がいるということを知ったのがきっかけです。その後、ボランティアとして知的障害のある方たちの作業を手伝う中で、「今朝、母親に怒られた」「夜眠れなかった」「仲の良い職員が今日はいない」といった日常の出来事が作業の成果に大きく関わってくることに気づきました。卒業論文では環境と作業効率の関連についてさらに掘り下げました。そのうちに、環境を整えることで、障害のある方たちが気持ちよく仕事を続けていく手助けをしたい、と考えるようになりました。研究室の恩師のすすめで社会福祉士の資格をとり、卒業後は重度心身障害者の生活支援施設等で働いた後、東京コロニーに入職しました。
 
現場では、利用者一人ひとりの力を引き出せるよう支援をしており、利用者がそれに応えてくれ、力を発揮できた時、納期に向けて利用者と職員が気持ちを一つにして頑張った時などは大きな達成感を味わうことができます。そして、支援や成果物の出来に関わらず、利用者や一緒に働く職員が真剣に作業に取り組む姿は、側で見ているだけで元気がもらえます。時々「これまでの経験はすべてこの仕事に出会うためだったのかな」と思うほどです。
 

周囲の理解に支えられ

在籍する東京都大田福祉工場は、地域で困っている人がいれば受け入れていこうという方針で事業を行ってきました。これまでひきこもっていて今は一日に5分間職場に居ることを目標にしている方、過去に事件を起こしてしまった方などいろいろな方がいます。「こういう方にはこう接すればうまくいく」という教科書があるわけではありません。支援の対象者その方から、我々職員が学んできました。昨年、就労支援課長となり、これまでに現場の皆で培ってきた経験を形にして後輩へ伝えていく必要を感じています。責任の大きさとやりがいを感じる日々です。
 
現在2人の子育て中ですが、仕事と子育ての両立という面では、家族は全面的にサポートしてくれています。そして何より職場の同僚たちの理解と協力が大きな支えとなっています。産休を終え0歳児を抱えた状況での復帰を前にして不安を口にした時、上司が「復帰大歓迎。仕事はみんなでサポートします」とはっきりと言ってくれたことが安心につながりました。周囲が受け入れる姿勢を示してくれることがどれほど精神的な助けになるか、ということを身をもって感じることができました。期待に応えるためにも、職場にいる限られた時間内は「200%の力」を発揮して取り組み、家庭に帰れば子どもと過ごす時間をしっかりとり、メリハリのある生活を心がけるようにしています。
 

いつか、障害のある子どもとその親に関われる活動をしてみたい

就労についての相談を受けていると、幼少期からの親子の関わりの大切さについて考えさせられる機会が多くあります。目標とする就職に向かって計画を立てたり、その道のりを共に歩んでいくときには、周囲は一歩引いて本人の意思を尊重することがとても大事ですが、本人よりも親の思いが先行することがあります。就職する年齢になったからといって親が皆すぐに子どもと適度な距離をとれるようになるわけではありません。障害のある子どもにどう接したらよいか分からず距離が空きすぎてしまったり、逆に干渉しすぎてしまったりする場合もあります。成長のさまざまなステージで相談できる誰かが親のそばにいればいいなと思うことがあります。いつかボランティアという形でも、迷っている親の話を聞き、寄り添うことで障害のある子どもたちの将来に関われるような活動をしてみたいと思っています。
取材先
名称
(社福)東京コロニー 東京都大田福祉工場 犬塚睦実さん
概要
社会福祉法人東京コロニー 東京都大田福祉工場
https://ootafukushikojo.org/
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