NPO法人Jin 「浪江町サラダ農園」
美しいふるさと浪江をもう一度 ~高齢者、障害者の想い、そして次世代に~
掲載日:2017年12月19日
ブックレット番号:4 事例番号:50
福島県浪江町/平成27年3月現在

 

ポイント

  • (1)高齢者、障害者が支援の受け手ではなく、むしろ復興をすすめる存在となれることを支えている。
  • (2)誇りを持てる、次世代に誇れるまちを取り戻すことが福祉職がめざす復興の大切な視点になる。
  • (3)災害支援を通じて、困らないように守るのではなく、その人がらしく生きることを支えることのできる福祉職の本質をうかがうことができる。

 

あらまし

  • 東京電力福島第一原発から7.2㎞にあったNPO法人Jinの事業所。原発事故により全町民が避難した浪江町は、震災から2年の平成25年4月に避難区域が再編され、Jinの事業所があった区域は日中の立入りができるようになりました。それと同時にJinは、元の事業所のあった畑で高齢者、障害者とともに農業を営み始めました。しかしながら、浪江町サラダ農園での1年目の野菜づくりは残念ながら出荷を見送る結果となりました。
    「ならば、『花の名所』を作って町民を出迎えよう」と植えたのが6,600個のチューリップの球根。平成26年春にそれが見事に花を咲かせると、家の片づけに来ていた町民が足を止めてそれを見に来てくれました。高齢者、障害者と咲かせた花が、変わり果てた大地に復興の礎となる景色を作り出しました。2年目は野菜づくりを続けるとともに、トルコギキョウの栽培に挑戦。高齢者、障害者が農作業を積み重ね、夏にはその花を見事に咲かせることができました。代表の川村博さんは「困らないように支援するのではなく、自分らしく生き、支援はその人の真の自立につながるものでなければならない」と話します。そのためにも、悲しい故郷ではなく、誇りのある故郷であることをJinは追い求め続けます。

 

取材先
名称
NPO法人Jin 「浪江町サラダ農園」
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