(社福)町田市社会福祉協議会、(一財)町田市地域活動サポートオフィス
コロナ禍での地域活動や市民活動を資金面から応援する取組み~町田市での活動資金募集、助成の取組みから
掲載日:2020年12月21日
2020年12月号 トピックス

「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」

実行委員会メンバーのみなさん

 

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染防止と両立した地域活動の模索が続いています。また、生活困窮等の生活課題が深刻化、顕在化しており、地域の課題に対応する新たな活動も求められています。

 

こうした中、コロナ禍で地域課題に取り組む活動団体を応援するため、資金を集め、助成する取組みが行われています。今回は、町田市の事例を紹介します。

 

町田市「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」

町田市では、町田市社協と(一財)町田市地域活動サポートオフィスの実行委員会形式により、コロナ禍において市民を支える活動を支援する「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」を実施しています。令和2年8月3日~9月16日の期間、クラウドファンディングで資金調達を行いました。

 

町田市地域活動サポートオフィス(以下、オフィス)は、平成31年4月に新設された中間支援組織です。市内の市民活動団体の支援や、官民や民間同士などさまざまな形での協働の促進等の役割を持ちます。日頃から事業等を通じてつながりのあったオフィスと町田市社協とが、新型コロナの影響で生活に困窮し、孤立を深める方が増える状況に同じ危機感を持ち、他地域の取組みなどを情報収集した上、共催での取組みを決めました。オフィスの事務局長の喜田亮子さんは「この取組みは、地域の人や活動をよく知り、市内で知名度が高い社協と協働することで、より効果やインパクトを生むと考えた」と言います。

 

共に運営を担う町田市社協地域福祉課地域福祉第二係主任の和田正成さんも「社協も取組みの必要性を強く感じていた。社協内でも迅速な対応を応援してくれた。オフィスが持つ資金集めのノウハウや推進力等の強みと、社協が持つ強みとの相乗効果で、企画がすすんだ」と言います。

 

資金調達の手段にクラウドファンディングを選択したのは、共感力を生む手法であり、スピード感をもって対応できると判断したからです。喜田さんは「新型コロナの影響で毎日の食事を控えるほど困窮したシングルマザーに関する新聞報道に触れ、驚きとともに『何か力になりたい』という気持ちを寄せてくれる方がいた。『困っている人の力になりたい』『直接活動することは難しいができることはないか』という思いを実現する場として適切だと思った」と言います。

 

準備を経て、8月に「FAAVO町田」という地域版クラウドファンディングのサイトに記事をアップしました。実施にあたっては、FAAVO町田の事務局で、町田市内の創業支援の役割を担う機関である(株)町田新産業創造センターから、サイト上での記事作成のポイントや寄附者への働きかけ方等について、さまざまなアドバイスを受けました。クラウドファンディングを開始することについては、社協だより、SNS、チラシ配布等を通じて広報、PRしました。

 

結果的に約1か月半で、154人から、目標金額100万円を上回る113万円の寄付を受けました。和田さんは「『インターネットはできないが協力したい』と社協に現金を持ってこられる方までいた。これまで社協とつながりのあった方だけでなく、多くの方に関心を寄せていただいた」と言います。喜田さんは「40代を中心に、さまざまな年代の方から支援いただき、市外在住の方からの寄付もあった。日頃は福祉や社会貢献などを意識しなかった方や、思いがあっても発露の場がなかった方がコロナ禍でのさまざまな生活上の困難という共通の社会課題に触れ、一歩踏み出すきっかけになったようだ」と成果を感じたそうです。

 

9月以降、助成先の公募を行い、10月末に審査委員会を開催し、12件の活動への助成を決定しました。審査委員会は、学識経験者や地区社協、民生児童委員、商工会議所、行政職員で構成しました。「新型コロナの感染拡大の影響により困難な立場に置かれた方に支援を届ける」という趣旨に合致する活動かどうかを重視し、審査を行いました。子どもや妊産婦、認知症の方、ホームレスの方など困難な状況にある人たちに対する従来の活動をオンライン化して実施するという申請や、新たにそれらの方に対する支援活動を展開したいという申請等がありました。

 

今後、寄附者や市民に対し、助成先の活動の経過や成果等の報告や情報発信を随時行っていく予定です。活動の成果が見える頃、寄附者への報告会の開催も予定しています。

 

喜田さんは「コロナ禍で、小さなサロン活動や集まりに、人をつなぎ支える価値があることが改めて証明されたと思う。オンライン等の新しい手法での活動もどちらも大切に支援したい」と言います。和田さんは「地域活動には価値があるということ、ますます地域福祉が大切になることをさまざまな取組みを通じて発信していきたい」と語ります。

 

町田市社協・町田市地域活動サポートオフィス

「みんなでコロナを乗り越えるぞ基金@町田」チラシ

取材先
名称
(社福)町田市社会福祉協議会、(一財)町田市地域活動サポートオフィス
概要
(社福)町田市社会福祉協議会
https://www.machida-shakyo.or.jp/
(一財)町田市地域活動サポートオフィス
https://machida-support.or.jp/
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