東社協保育部会では標記をテーマに、元渋谷区の男女平等・ダイバーシティ推進担当課長の永田龍太郎さんを講師に招き、令和4年1月に研修を開催しました。研修は、第一部のオンデマンド配信による講義と第二部の講義内容をふまえたグループワークや質疑応答を含む学習会の二部構成です。
講師の永田さんは渋谷区に勤める以前、20年近く宣伝広報の業務に従事され、前職で自身がゲイだとカミングアウトしたことをきっかけに、社内外に向けたLGBTQ政策のプロジェクトリーダーを務められました。その縁もあり、日本初の同性パートナーシップ制度を導入した渋谷区でLGBTQインクルージョン推進を担う職員として、2021年9月まで任期付き職員として勤められました。
第一部では、LGBTQの基礎知識や当事者の方々が抱えやすい課題、またそれに対して社会・周囲の人たち一人ひとりが心掛けるべきことなどの講義がありました。
LGBTQとは、性自認や性的志向を表す「LGBT」に、性的マイノリティを包括する表現として「Q(クエスチョニング、クイア)」を合わせた言葉です。LGBTQの子どもたちが自分の性のアイデンティティを認識し始めるのは早くて幼児期頃からといいます。認識していく中で「周りとは違う」「自分と同じような人はいないようなので、おかしいと思われないように隠していかなければいけない」など孤立や孤独を深めていき、自尊心が弱くなりやすいとのことです。そのような時に家族や学校、周りの人が、お互いに多様性を尊重しあう意識を持つことで「自分は自分のまま、ここにいてもいい」と思えることが、広い視点で見ていくと、地域課題の解決のきっかけにつながっていくそうです。
第二部では役職ごとに分かれ、これまで参加者自身が経験した本テーマに関連する事例やそこから考えられたこと、疑問点についてグループワークを行いました。
LGBTQのみならず、さまざまな多様性を尊重し合いながら生活することの大切さに改めて気づかされた研修となりました。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/hoiku/index.html