(社福)東京都社会福祉協議会
東京の多様性を活かした地域共生社会を一歩前へ~東社協の新たな中期計画を策定
掲載日:2022年5月2日
2022年4月号 NOW

 

あらまし

  • 東社協では、「令和4~6(2022~2024)年度 東社協中期計画」を策定しました。新たな計画は、前期「平成31年度(2019年度)からの3か年 東社協中期計画」の成果をふまえ、取組みを強化しながら継続し、推進するものです。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大の影響が今後も続くことが想定される中で、東社協のめざすビジョンと役割、課題等をふまえ、取組みの方向性に沿って、重点事業をはじめとした各事業に取り組みます。
    東京の多様性を活かしながら、めざす“地域共生社会”づくりに向け、さらに“一歩前へ“と推進すべく、さまざまな福祉施設や団体、関係者の皆様とのネットワークを通じ、活かし、連携・協働することを大切に取り組んでいきます。

 

「地域共生社会」づくりをさらに推進

東社協では、令和4年度からの新たな3か年に向け「令和4~6(2022~2024)年度 東社協中期計画」を策定しました。策定の前提として、コロナ禍を通じて顕在化したさまざまな地域課題や人口減少社会での福祉人材不足の見込み、災害への対応、重層的支援体制整備事業の創設、SDGsの視点など、社会情勢や制度施策等の状況をふまえました。加えて、東京都や全社協等の各種計画、東社協内の動向や計画、提言の内容もふまえ検討をすすめました。

 

策定過程では、主に東社協総合企画委員会より助言を受けました。また、地域福祉推進委員会や施設部会連絡会、社協部会などのほか、「福祉広報(令和3年11月号)」でも検討内容をお伝えしました。それらからの多数の貴重なご意見も参考に、とりまとめています。

 

「東京の多様性を活かした"地域共生社会づくり"の推進」を共通目標に掲げた前期計画の目標や取組みの方向性を継続し、これまでの成果をふまえ、「東京の多様性を活かした"地域共生社会"を一歩前へ」をキャッチフレーズに、さらなる取組み推進に努めます。

 

東社協のビジョンと役割は前期計画を継続

今期計画では、前期計画の「めざすべき地域社会の姿」と「東社協の5つの基本的な役割」を継続します。「めざすべき地域社会の姿」には「東京の多様性を活かし、それぞれの地域生活課題を主体的に解決できる地域社会」を引き続き掲げます。また、このビジョンを実現するために東社協が果たすべき基本的な役割を「安心・安全と権利擁護、自立生活支援の推進」「福祉水準の向上を支える基盤の強化」「ネットワークの構築・協働と幅広い参加の促進」「取組みの支援と普及」「情報発信と提言」の5つとしています。

 

長期および3か年の「取組みの方向性」を定め、これに沿って15の「重点事業」を選定

東社協のビジョンと役割、課題や内部・外部環境をふまえた取組みを推進するため、新たに長期およびこの3か年の「取組みの方向性」を定めました。その上で、「重点事業」として、これまでの取組みをもとに、「取組みの方向性」に合致し、到達目標の具体的な設定が可能な事業の中から15本を選定しました(「取組みの方向性」「重点事業」の内容は【図】参照)。

 

前期計画期間中は、社会全体が新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けました。コロナ禍で、交流機会の減少など日常生活の長期にわたる変化による高齢者・障害者・子どもへの影響、ぎりぎりで生活する世帯の不安定な状況など、これまで十分把握されていなかった課題、地域活動の担い手と活動への影響、情報格差など、さまざまな課題が顕在化しています(※)。

 

こうした地域課題の解決に向けては、重層的支援体制整備事業等の動向やしくみと、権利擁護の視点もふまえた社協の「地域づくりをすすめるコーディネーター」の活動推進が重要だと考えています。また、社会福祉法人の地域ネットワークの機能・活動支援等を通じ、地域公益活動のより一層の推進が必要と捉えています。同時に、把握した課題を共有し、その解決に向け、社会福祉法人(の地域ネットワーク)や民生児童委員(協議会)等の多様な関係者が連携・協働して解決をめざす取組みを推進することが、重点事業の大きな柱となっています(【図】重点事業①②⑥⑦⑧等に関連)。さらに、企業ボランティアの推進、地域福祉活動とボランティア活動の連携強化等により、幅広い市民参加・多様な主体の協働をすすめます(⑨⑩)。

 

また、厳しい状況が続く福祉人材の確保・育成・定着に関し、転職者等の未経験者を福祉職場に積極的に導き、外国人も含め誰もが働きやすい職場づくりをめざすための現在の修学資金貸付事業や研修等の取組みをさらに推進しつつ、実態調査等を行っていきます(③④⑤)。

 

あわせて、コロナ禍もふまえた災害・感染症等に対応する「危機に強い福祉現場」づくりと災害ボランティア活動の推進(⑪⑫⑬)、社会福祉の幅広い理解促進(⑭⑮)にも努めます。

 

なお、新型コロナの影響をふまえた緊急小口資金および総合支援資金の特例貸付は、重点事業ではなく、「国の方針等に基づき、必要な体制を整備し着実に実施する事業」と位置づけ、長期にわたる適正な債権管理等を行っています。

 

 

【図】「取組みの方向性」と「重点事業」

 

重点事業を中心に取組みを可視化し推進

事業の着実な実行を支える東社協の法人基盤の強化は「東社協の役割を果たす人材の育成・活用と環境の整備」「マネジメント力を高める組織運営基盤・方法の強化」の2つの重点目標によりすすめます。また、重点事業や各事業の事業推進に向けては、「部室の中期目標」を定めました。

 

今期計画の計画期間中は、重点事業を中心に、総合企画委員会において推進評価を受けながら、取組み状況を可視化します。また、取組みにあたっては、事業間や部室間の協働を推進し、東社協内外のネットワークを活かし、必要に応じて新たなネットワークをつくることを重視しながらすすめます。

 

計画の推進には、幅広い関係者の皆様によるご理解とご協力が不可欠です。東社協では、地域共生社会づくりに向け、新たな3か年も皆様とともに積極的に取組みを推進していきます。

 

(※)東社協地域福祉部実施「重層的支援体制整備事業に関わる取組みおよびコロナ禍における地域課題に関する状況 区市町村社協アンケート」調査結果(https://www.tcsw.tvac.or.jp/chosa/documents/2021.9chiikichousa.pdf)より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取材先
名称
(社福)東京都社会福祉協議会
概要
(社福)東京都社会福祉協議会
https://www.tcsw.tvac.or.jp/
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