シンポジウムの様子
令和4年2月27日(日)、標記フォーラムをオンラインで開催しました。同フォーラムは、平成27年度から毎年、地域福祉に関心のある方や福祉関係者等が共に学びあう場として開催しています。令和3年度は「〝地域〟でつなぐ孤立を生まない包括的な支援とは」をテーマに開催し、130名が参加しました。
◆誰も孤立することのない地域づくり
最初に文京学院大学教授の中島修さんが「誰も孤立することのない地域づくり」について講演しました。中島さんは「誰も孤立しないためには、相談窓口を明確化し、そこでどのような支援が受けられるのかを情報発信していく、また、社会とつながるための支援を最優先する地域づくりが大切だ」と指摘しました。そして「複合化した課題には、制度の枠組みを超えた一体的な対応が不可欠。地域の社会資源を見つめ直し、できることから住民と共に取り組んでいってほしい」と話しました。
◆地域でつなぐ切れ目のない支援
シンポジウムでは、東京都民生児童委員連合会の寺田晃弘さん、NPO法人国際活動市民中心(CINGA)の高田友佳子さん、NPO法人Learning for Allの入澤充さんにご登壇いただきました。シンポジストの3人からは、次のように報告がありました。民生児童委員は、地域住民の一人として隣人の小さな変化に気づき、身近な相談相手となり、訪問や調査から地域福祉の向上に取り組んでいること。外国人支援では、言葉の問題だけでなく、日本人と同じように生活上の課題がある一方、支援されるだけでなく、外国人が支援する側にも回ることができること。子どもの貧困問題では、支援につながりづらい状況にどう介入していくかが重要であり、地域や学校、行政、NPO等さまざまな方と連携して支援していく必要があること。それぞれの分野からの課題提起から、地域で困りごとを抱える人たちへの多方面での支援があることを学びました。また、コロナ禍でどのように活動を続けてきたかお互いに共有し、学びあう機会となりました。
今後も、多様な人材、社会資源が集まる東京における小地域福祉活動について取り上げ、さらに充実したフォーラムの開催をめざします。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/