(社福)西東京市社会福祉協議会
ほっとネットステーションにおける 地域福祉コーディネーターの取組みを活かした事業実施 ―西東京市社協における重層的支援体制整備事業の取組み
掲載日:2023年3月7日

左から、西東京市社会福祉協議会

福祉活動推進課相談支援係主査 飯塚和幸さん、

福祉活動推進課主幹 篠原京子さん、福祉活動推進課長 小口浩司さん、

福祉活動推進課相談支援係長 佐藤美穂さん

 

あらまし

  • 西東京市は令和3年度に移行準備事業、令和4年度から重層的支援体制整備事業を実施しています。
  • 西東京市社協では、平成22年度に地域福祉コーディネーターをモデル配置し、都内でも先駆的に地域福祉コーディネーターによる地域づくりに取り組んできました。その後、体制を強化して、現在は市内2か所の「ほっとネットステーション」から4圏域に出向く8名の地域福祉コーディネーターが配置されています。また、ふれあいのまちづくり住民懇談会(小地域福祉活動)は、旧小学校区20地区で、住民同士が知り合い、支え合うことを目指して、西東京市社協が長く取り組んできた事業です。さらに、地域サポート「りんく」(生活支援体制整備事業)、生活サポート相談窓口(生活困窮者自立相談支援事業)も受託しており、地域課題の解決を支援する事業の多くを実施してきたことから、重層的支援体制整備事業の5つの事業を社協が受託することになりました。
  • 西東京市の重層的支援体制整備事業は、西東京市社協が長く取り組んできた事業を活かした形で実施されています。特に地域福祉コーディネーターが地域の関係者と積み上げてきたことを成果として発揮することが求められています。今後も社協の強みを活かした事業展開が期待されます。
  • これまでの実施に向けた経過や取組みの状況について、西東京市社会福祉協議会福祉活動推進課長の小口浩司さん、同課主幹の篠原京子さん、同課相談支援係長の佐藤美穂さん、同課相談支援係主査の飯塚和幸さんの4人にお話をうかがいました。

 

Ⅰ 西東京市社協のこれまでの取組み

(1)第四次西東京市地域福祉活動計画

第四次西東京市地域福祉活動計画(平成31年~令和5年)は、平成31年3月に策定されました。本計画では、西東京市社協が実施している地域福祉コーディネーター、生活支援コーディネーター、生活サポート相談窓口(生活困窮者自立相談支援事業)、ふれあいのまちづくり住民懇談会(小地域福祉活動)の4つの事業が連携、協働し、解決に向けて取り組んでいくしくみを「西東京市スタイル」とし、西東京市らしい包括的支援体制の構築を目指してきました。第四次地域福祉活動計画は、第4期西東京市地域福祉計画と連動して策定しており、市民アンケート調査や住民の地区懇談会の結果を共有して用いています。市民アンケートからは、つながりの希薄化、相談先がわからないこと、必要な人に情報が行き届いていないことが課題として見えてきました。そこで、西東京市は、令和2年度に国の「地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制構築事業」として「福祉丸ごと相談窓口」を開設し、西東京市社協も「西東京市スタイル」の4つの事業にさらに力を入れて取り組んでいく流れになりました。

 

 (2)地域福祉コーディネーター事業(ほっとネット事業)

西東京市社協では、平成22年度に地域福祉コーディネーター1名をモデル配置しました。第二次西東京市地域福祉活動計画(平成21年~25年)の中に地域福祉コーディネーターを位置づけ、都内でも先駆的に地域福祉コーディネーター事業に取り組んできたと言えます。平成25年度に4圏域(日常生活圏域)各1名の4名の配置となり、令和2年度に地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制構築事業(いわゆるモデル事業)の実施に合わせて、4圏域各2名の8名配置となりました。地域福祉コーディネーター事業は「西東京市ほっとするまちネットワークシステム事業(通称:ほっとネット事業)」といい、地域福祉コーディネーターは、田無ステーション(田無庁舎内)と保谷ステーション(防災・保谷保健福祉総合センター内)の2か所の「ほっとネットステーション」に配置されています。田無ステーションは前述の「福祉丸ごと相談窓口」内に設置されており、市の地域共生課相談窓口係(生活困窮者自立支援事業等)や生活サポート相談窓口などとともに窓口を構成しています。保谷ステーションでは、高齢、障害、生活福祉分野の相談窓口とともに「福祉の相談窓口」として相談にあたっています。ほっとネットステーションには、どこに相談をしたらいいのかわからないとい う相談が多く寄せられますが、他の相談機関と窓口をともにしていることにより、様々な相談に対して連携が取りやすい体制になっています。

 

ほっとネット事業の特徴の1つが市民による「ほっとネット推進員」の存在です。地域課題などの情報を地域福祉コーディネーターに寄せるとともに、解決に向けて協力をしてくれる市民のことですが、特に何かをやってほしいとコーディネーターからお願いするのではなく、日頃のつながりの中で無理なく取り組んでもらっています。毎年コミュニケーション研修を開催したり、ほっとネット推進員向けの通信を送付しています。相談者がのちにほっとネット推進員になることもありますし、市内の事業者(地域の不動産業者、片付けをする業者、植木屋など)が登録してくれることもあります。現在400名超の市民がほっとネット推進員として登録しています。

 

【ほっとネット事業 圏域図】

取材先
名称
(社福)西東京市社会福祉協議会
概要
(社福)西東京市社会福祉協議会
https://www.n-csw.or.jp/
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