(社福)西東京市社会福祉協議会
ほっとネットステーションにおける 地域福祉コーディネーターの取組みを活かした事業実施 ―西東京市社協における重層的支援体制整備事業の取組み
掲載日:2023年3月7日

(3)地域サポート「りんく」における生活支援体制整備事業と「ささえあいネットワーク」

西東京市社協では生活支援体制整備事業を受託しています。1層生活支援コーディネーター1名と4圏域4名の2層生活支援コーディネーターは、担当圏域にかかわらず、全員、田無総合福祉センター内の西東京市地域サポート「りんく」に配置されています。「りんく」では、地域活動についての相談受付や、まちづくりに関する情報、意見交換の場作りを通し、高齢者の地域生活を支えるネットワークづくりを行います。生活支援体制整備事業のほか、西東京市の事業の「ささえあいネットワーク事業」と「介護支援ボランティアポイント制度」にも取り組んでいます。ささえあいネットワークは、「ささえあい協力員」や「ささえあい協力団体(地元の企業等)」が、日頃の生活や活動の中で高齢者を見守り、気になることがあれば「りんく」や地域包括支援センターに連絡をする事業です。その中には「ささえあい訪問サービス」という事業もあり、申請のあった高齢者への見守り活動を行っています。また、ささえあい訪問協力員養成研修を受講すると、ささえあい訪問サービスにて見守りを行う「ささえあい訪問協力員」としての活動もできます。「ささえあいネットワーク事業」の見守り対象は高齢者ですが、「ささえあい協力員」と「ほっとネット推進員」を兼ねている方もおり、実際は地域の中の様々なことに気をかけてくれているささえあい協力員もいます。どちらの事業かにかかわらず、地域で気になることがあれば西東京市社協に伝えれば良いのですが、市民から見てわかりにくいしくみになっているので、ネットワーク事業の整理の必要性を感じています。

 

(4)生活サポート相談窓口(生活困窮者自立相談支援事業)

西東京市社協は生活困窮者自立相談支援事業も受託しており、生活サポート相談窓口として、市の「福祉丸ごと相談窓口」の一画を構成しています。社協の担当職員は2名です。ほっとネット田無ステーションと一緒の窓口に配置されているので、地域福祉コーディネーターと連携がしやすい体制になっています。生活サポート相談窓口の支援対象ではない相談が入った場合に、ほっとネットステーションにその場でつなぐこともできます。外国籍の方や子育て世帯からの相談に対して、ほっとネットステーションと一緒に支援し、地域でのつながりをつくったケースなどがあります。

 

(5)ふれあいのまちづくり住民懇談会(小地域福祉活動)

ふれあいのまちづくり住民懇談会(以下、ふれまち)は、住民同士が知り合い、支え合えるまちづくりを目指し、「住民懇談会」、「ふれまち助け合い活動」、「地域活動拠点」の3つの事業を実施している小地域福祉活動です。「住民懇談会」は、旧小学校区20地区で取り組んでおり、「サロン活動」、「防災・防犯への取り組み」、「見守り活動」によるまちづくりを行っています。「ふれまち助け合い活動」は、電球交換のような住民の「ちょっと困った」を住民同士で助け合い、「安心して暮らせるまち」を目指す活動です。「地域活動拠点」は8か所あり(令和4年11月現在7か所)、誰もが集える場として、地域交流、居場所、ミニデイ、子育て支援など様々な目的で使われています。ふれまちの担当職員は、地域福祉コーディネーターと同じ課の地域福祉推進係に配置されています。地域福祉コーディネーターと地域福祉推進係の職員で20地区の住民懇談会を担当しており、月1回の定例会とサロン開催時などに出向いています。拠点には職員が常駐しているわけではなく、必要に応じて回っています。毎月、圏域ごとに地域福祉コーディネーター、生活支援コーディネーター、ふれまちの圏域担当者で打合せを行い、地域課題や地域の情報を共有し、社協内で連携を取るようにしています。

(6)福祉丸ごと相談窓口

令和2年度に西東京市に開設された「福祉丸ごと相談窓口」は、ほっとネットステーション、生活サポート相談窓口のほか、西東京市の地域共生課相談窓口係と生涯現役応援窓口の4つの機能で構成されています。地域共生課相談窓口は、市直営の生活困窮者自立支援事業(一部の事業は生活サポート相談窓口で実施)、NPO法人等が実施しているひきこもり・ニート対策事業や就労準備支援事業、入院助産に関する相談受付を行っています。生涯現役応援窓口は、原則55歳以上の方を対象に就労や社会参加に関する相談を受け付けています。市民の「どこに相談したらいいのかわからない」に対応するため、相談者の多岐にわたる相談を「丸ごと」受け止め、それぞれの課題ごとに専門機関と連携し、解決に向けた支援を行う窓口です。生活困窮等の生活の困りごとを相談できる窓口と個別支援と地域支援の両方を実施する地域福祉コーディネーター事業のほっとネットステーションが一緒に対応することで、「断らない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」といった重層的支援体制整備事業の取組みにつながっています。

(7)西東京市社会福祉法人連絡会

西東京市社会福祉法人連絡会は平成28年12月に設立され、西東京市社協が事務局を担っています。連絡会における地域公益活動として、平成30年度から、毎年フードドライブに取り組んできました。コロナ禍でも継続して実施しており、集まった食料は、子ども食堂や放課後カフェ、生活サポート相談窓口等が実施する食料支援等と連携して配布しています。また、連絡会の新しい取組みとして、現在、「地域の福祉相談窓口」の準備も進めています。各社会福祉法人の窓口に寄せられた相談は、分野を問わずに一度受け止め、社会福祉法人間で連携し、それぞれの専門性を活かして対応するしくみです。必要に応じて社会福祉法人以外の専門機関にもつなぎます。重層的支援体制整備事業の中でも、包括的相談支援事業は社会福祉法人の力が求められているところであり、社会福祉法人連絡会の取組みにより、相談対応の幅が広がることが期待できます。

取材先
名称
(社福)西東京市社会福祉協議会
概要
(社福)西東京市社会福祉協議会
https://www.n-csw.or.jp/
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