「あなたの話を聞きたい人もいっぱいいるんだよ」と伝えたい
掲載日:2023年3月14日
2023年3月号 くらし今ひと

八巻 彩夏 さん

あらまし

  1. 都立紅葉川高等学校のボランティア部「メイプル部」は、都内高齢者施設や地域の行事の補助など幅広く活動しています。メイプル部部長2年生の八巻彩夏さんにお話を伺いました。

 

私のやる気でみんなを笑顔に

小学校の低学年だった頃、母が図書整理ボランティアとして小学校で活動していて、一緒に手伝いに行っていました。図書室をきれいにすることで、「過ごしやすくなった」と言ってもらえたり、みんなの笑顔を見たりしたとき、頑張った甲斐があったと嬉しくなりました。

 

私は、人の役に立つことが好きな性格で、高校ではメイプル部の他に生徒会にも所属し、庶務を担当しています。高校生活では、部活動と生徒会が特に楽しいです。

 

メイプル部は、1年生3人、2年生1人の計4人が主に活動に参加し、部長の私は顧問と相談しながら役割を担っています。受験を控えた3年生の4人は、時間があれば活動を手伝ってくれます。コロナ禍では校内のボランティア活動が多かったのですが、オリンピックの時は、会場までの緑道に花を飾る活動にも参加しました。

 

昨年からは高校近くの福祉施設「なぎさ和楽苑」が主催する地域の高齢者を対象としたスマホ教室に教える側として参加しています。携帯の使い方を教える以外に、日常の相談に乗ることで地域の方の安否確認などにもつながっていると聞きました。

 

地域の高齢者とお話しできるスマホ教室はとても貴重な機会だと感じています。初めての参加で緊張されている方も、気持ちがほぐれて「見て! この写真、私の孫なの」「私のワンちゃんなの」と、スマホの使い方だけでなく、日常のことをお話ししてくださります。「活力が出て、元気になったよ」などの声をかけてもらえると「楽しく参加してもらえて良かった!」と思います。これからも相手の目を見て積極的に話しかけていくことを大切にしたいです。

 

汗だくの思い出が住民の笑顔で満たされた

2022年7月、地域相談拠点「なごみの家葛西南部」から連絡をいただき、近くの団地住民と交流を図り、熱中症の注意喚起などをするため、地域の行事の手伝いをしました。

 

団地の方たちにイベントに参加して楽しんでもらいたいと思い、団地4棟を部員で手分けをして、一人100戸ポスティングをして、イベントの周知を行いました。新型コロナの影響で、イベントは中止になりましたが、12月には「なごみの家」主催のクリスマス会が開かれ、特にビンゴ大会は盛り上がりました。団地住民をはじめ、施設の利用者や、地域の方など50名ほどが集まり「団地の方に楽しんでいただくことができた」と達成感を味わいました。

 

団地を訪れて感じたもどかしさ

団地の住戸を訪れた時、真夏でもエアコンをつけず過ごしている高齢の一人暮らしの方が多くいらっしゃり「もしかしたら、一人で倒れているかも!?」と不安に感じました。「団地の中に、一週間、一か月、誰とも話していない人が何人いるのだろう」と考えると、もっと積極的に外に出てもらえたらと思います。外に出ると、「こういう施設があって、こんなイベントがある」と知って前向きな気持ちになれるし、いろいろな人と出会うきっかけになるからです。

 

多様な人と出会い世界を広げたい

幼少期からダンスを12年続けているので、耳が聞こえない人、体が上手く動かせない人と一緒にダンスをしたいです。また高校1年生から声優養成所に入っていることもあり、将来の夢は歌って踊れる声優になることです。性別や障害の有無に関わらず多様性のある活動に関わり、いろいろな人と出会って世界をもっと広げてみたいです。

スマホ教室で個別に相談に乗っているところ

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