ケアリーバーの賃貸契約問題について動画で詳しく解説 ~一般社団法人SHOEHORNの取材事業の取り組み~
掲載日:2024年2月5日


 

 

  • 児童養護施設や里親委託等でのケアを終えた社会的養護経験者のことを、ケアリーバーと呼びます。ケアリーバーを含む若者に対して、居場所提供や自立支援を行う一般社団法人SHOEHORN。SHOEHORNの事業の大きな柱である「取材事業」で、「住居」をテーマに、2023年12月に取材が行われました。その模様をお伝えするとともに、事業の目的や思いなどについて伺いました。

 

 ケアリーバーが直面する「住居問題」への不安を払拭したい

一般社団法人SHOEHORNは、設立者の武石和成さんが児童養護施設に勤務していた際、退所した多くの若者が路上生活状態に陥っていた状況に対して支援の必要性を感じ、設立した団体です。SHOEHORNの事業は、大きく2つの柱で成り立っています。一つ目は、「カフェ事業」です。そもそもSHOEHORNはカフェ事業からスタートしました。ケアリーバーを含む若者に気軽にカフェとして利用してもらったり、仕事がない時にはアルバイトとしてカフェで働いてもらったりと、定期的に足を踏み入れてもらい、社会的に孤立しないよう「無期限で非定型の支援場所」を提供しています。

二つ目は「取材事業」です。カフェ事業を展開していくうち、スモールステップの就労のニーズが高まったため、何か若者に対して長期的に支援できる方法はないかと考えたのが「取材事業」です。「取材事業」では、さまざまな職種の方々に取材を行い、動画(YouTube)で配信しています。スタッフに若者を加え、武石さんとともに製作に携わっています。これまで、弁護士や建設業、鍼灸治療院、自衛隊など、多岐にわたる職種のプロに取材し、その回数は現在までで64回にわたります。

2023年12月に行われた取材のテーマは「住居」。武石さんは「一人暮らしの賃貸契約に対する問題は、ケアリーバーの多くが直面するイベントで、金銭的負担と責任が伴う大きな事柄です。退所前に事前に学べればいいのですが、『敷金、礼金』、『連帯保証人』など難しい用語が並び、契約に至るまでの流れも分かりにくい。そこで賃貸契約について一から取材し、自立後に後ろ盾がないことが多い彼らの負担や不安を軽減できたらいいなと思い、企画しました」と語ります。
 

障害者専門の不動産会社に取材を依頼

取材対象者は、武石さんが自らリサーチし、兵庫県尼崎市を拠点に、障害者専門の不動産業を営む「たけのこハウス」の代表、竹下雄貴さんに依頼しました。竹下さんは「今回の取材は、代表の武石さんから直接メールで依頼をいただきました。私も障害者を対象にした不動産事業をしているので、福祉という分野でご縁を感じ、喜んで取材をお引き受けしました」と言います。竹下さん一人で運営する「たけのこハウス」は、障害者の賃貸契約の支援に特化する、兵庫県では唯一の不動産会社です。身体障害、精神障害など一人ひとりの状況に寄り添いながら、賃貸契約の支援を行っています。時には出張で賃貸契約の代行サービスも行っています。

もともとは、行政からの依頼で、障害者の方の部屋探しを手伝ったことが始まりだといいます。それまで福祉業界の経験もなかった竹下さんは、「結果的にその方の希望に見合うお部屋を紹介できず、悔しい思いをしました。同時に、障害者の賃貸契約には、病院や行政、福祉事業所、社協など各部署との調整や内覧にも時間がかかり、ハードルがたくさんあることが分かりました」と振り返ります。そして、今まで障害者をとりまく賃貸事情に不動産業界が対応できていないことに課題を感じ、この状況を変えたいという思いで「たけのこハウス」を立ち上げました。

当日は、SHOEHORNのオリジナルキャラクター「くつべらマン」が一人暮らしをしたいという設定で質問し、それに対して竹下さんが回答するというロールプレイ方式で進行しました。取材は、基本的な賃貸契約の進み方から、物件選びや内覧のチェックポイント、敷金・礼金のしくみから予算の考え方、一般的な間取りの説明など、賃貸契約が初めてでも一から知ることができる内容になっています。最後に、竹下さんから若者へのメッセージも収録され、取材は終了しました。



 

 

「取材事業」を一つのビジネスモデルとして確立し、若者支援を続けていきたい

「取材事業」の動画で、様々な職場スタッフのリアルな姿を知ってもらい、将来の進路を決めるときの一助になれたらと考えています。また取材では、ケアリーバーの若者が撮影やディレクション、動画編集に携わっていますが、取材での動画編集のテクニックが認められ別の会社で雇用されたり、ひきこもりがちだった子が学校で取材での活躍を先生に報告してくれたりと、スタッフとして働く若者に対しても良い反響が多いといいます。武石さんは「これからも、この事業を続けたいと思っていますが、資金面なども含めまだまだ課題は残ります。取材事業を『ソーシャルビジネスとしてのビジネスモデル』として確立したいという思いがあります。あれこれ模索しながら、引き続きケアリーバーを含む若者の支援を長期的に行っていきたい」と語ります。

 

今回の撮影の裏側、撮影した動画

  

    取材事業の撮影のウラガワ


今回撮影した動画はYouTubeで公開中!

 

取材先
概要
一般社団法人SHOEHORNホームページ
https://sites.google.com/shoehorn.jp/top/home
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