京都府/平成30年3月現在
(3)福祉避難サポーター
(1)と(2)は、府として養成をすすめている人材ですが、要配慮者が安心して過ごせるためには、何よりも地域住民の理解が大切になります。その「少しの気遣い」という理解を広げていくため、ガイドラインでは3つめの人材として、地域住民による「福祉避難サポーター」を位置付けています。そして、地域住民に知ってもらいたい「要配慮者へのサポート方法」を掲載しています。そこでは、避難生活での要配慮者の困りごととサポート方法を「高齢者」「視覚障害・聴覚障害のある人」「手や足に障害のある人」「内部障害のある人」「知的障害・精神障害・発達障害のある人」「難病者・希少難病者」「妊産婦・乳幼児」「外国の人」「支援が必要な人」のそれぞれについて紹介しています。特に国際都市でもある京都では、観光客も含めた「外国の人」への配慮も大切になってきます。
さらに、ガイドラインでは、こうした地域住民による「福祉避難サポーター」の養成には、市町村における「避難訓練」の活用が有効であるとし、地域の要配慮者も参加した避難訓練の実施が実際の理解につながることを提案しています。
「福祉避難コーナー設置ガイドライン」より
京都府内には、平成29年9月現在で、491か所の福祉避難所を整備しています。必要な区域における設置箇所数としては70%を確保していますが、災害時、実際にニーズに対応する供給が機能できるかが課題です。また、福祉施設・事業所の利用者支援そのものも人的体制の確保が課題になります。宮村さんは「福祉施設・事業所のBCP(事業継続計画)も大切になってくる。一方、福祉施設・事業所の人的体制への応援は、全国レベルで応援職員の派遣のしくみが整いつつある。そうした中で、京都府は、一般避難所の要配慮者への対応力を高めるため、市町村の後方支援をしていきたい」と話します。そのことは、福祉避難所の需要を一定程度抑えることにもつながるはずです。
京都府では、市町村に対して平成27年度にガイドラインに基づく研修会を実施しています。市町村に対する支援は、「福祉避難コーナー」という形を作るために補助金を出すというものではなく、具体的に地域に理解を広げ、人を育てることによる後方支援を通じて府としての役割を果たそうとしています。紹介した3つの層による人材養成は、以下のような枠組みとなっています。
図 京都府におけるDWAT・サポートリーダー等人材養成
http://www.pref.kyoto.jp/index.html
(社福)京都府社会福祉協議会
http://www.kyoshakyo.or.jp/
長岡京市
http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/