京都府健康福祉部、(社福)京都府社会福祉協議会、長岡京市健康福祉部、市民協働部
誰もが安心して過ごせる避難所と要配慮者に対応できる地域づくり~避難所のユニバーサルデザイン化と人材養成~
掲載日:2018年4月26日
ブックレット番号:7 事例番号:69
京都府/平成30年3月現在

 

京都府社協では、市町村社協災害ボランティア担当者会議において府内25の市町村ごとの災害時要配慮者支援に関する取組み状況の資料を出し、お互いに情報交換を行いました。同資料では、「災害時要配慮者避難支援の中での社協の役割」として「要配慮者支援を行うボランティアの受入れ、派遣調整」「地域住民への啓発」などを既に意識していたり、実際に「福祉避難所設置運用訓練」や「避難所における要配慮者受入れのロールプレイなどの訓練」に積極的に参画している市町村社協もみられます。また、府内の「市町村地域防災計画」には全ての市町村で社協の役割に「災害時のボランティアセンターの設置」が位置づけられていることは当然として、6割に当たる15市町村で社協の役割に「災害時の要配慮者支援」を位置づけています。

 

「災害時における要配慮者支援・コミュニティワーク機能の発揮」。京都府社協がめざそうとするそのあり方について、「まだまだこれから検討を積み重ねていかなければならないところ」と、神戸さんは話します。災害時に福祉施設が担う福祉避難所につながってくる人には、もともと地域で福祉サービスにつながっていなかった人たちが少なくないという現状があります。それは、これまでの災害においても見られたことです。

 

福祉施設はその対応に追われることが想定されます。そして、一般避難所でも配慮が必要な要配慮者が過ごせる環境を作っていくことが必要です。その方々たちもまた、もともとの地域では課題を抱えながらも福祉サービスにつながっていなかった人たちは少なくありません。また、たとえつながっていたとしても、在宅福祉サービスの休止や環境の変化など、それまでにあった支援が途切れることもあります。その人たちのソーシャルワークを誰が考えるべきなのか。それは、大きな課題です。その解決の一つとして、災害の有無に関わらず、地域の主体性に基づく課題解決力をいかに日頃から高めていけるか。それがそこでは問われることになってきます。

 

足立さんは「災害時には平時には見えてこないニーズ、あるいは普段から意識していないと見えてこないものがある」と指摘します。それが災害時に表出してくるのであれば、平時からのアプローチ、そして、その地域のあり様を考えていく「地域福祉の視点」がやはり必要となります。

 

市町村社協は、日頃から地域を把握している存在の一つです。社協職員に期待されるのは「つなぎ役」。だからこそ、一般避難所の要配慮者支援を地域で担う人材養成をめざした「福祉避難サポートリーダー」の養成研修には、京都府社協は市町村社協職員にも積極的に参加を呼びかけています。

 

左:京都府社会福祉協議会事務局次長 神戸望さん

   右:京都府社会福祉協議会地域福祉・ボランティア振興課

副主査 足立隆司さん

 

 

取材先
名称
京都府健康福祉部、(社福)京都府社会福祉協議会、長岡京市健康福祉部、市民協働部
概要
京都府
http://www.pref.kyoto.jp/index.html
(社福)京都府社会福祉協議会
http://www.kyoshakyo.or.jp/
長岡京市
http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/
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