フォーラムには全国から約200名が参加した
あらまし
- 特定非営利活動促進法(以下、NPO法)の成立から25年が経ち、NPO法人は人々の生活を支えるインフラの一部となり、全国各地で多様な取組みやプレイヤーが生まれ続けてきました。成立当時に比べ、課題が多様で複雑化する社会において、その役割、そして期待は日々高まり続けています。施行から四半世紀の節目となる2023年12月1日。社会におけるNPOの存在を改めて俯瞰し、これからの市民社会を考える場として、NPO法人セイエンとNPO法NPOセンターの共NPO法25周年記念フォーラム」が開かれました。
自分たちだけではなく、他者とともに取り組む
「NPO法の理念から、目指す市民社会を考える」をテーマとしたトークセッションでは、NPO法の立法等に大きく寄与してきたNPO法人協力アカデミー代表の松原明さんほか、これまで活動を続けてきた市民活動団体が登壇し、それぞれの視点や経験から課題や思いが共有されました。
その中で、松原さんからは「活動をする団体を支えることを通して、〝多くの人が社会のために、自由に参加できる社会〟を理念として描いていた。25年経った今もその理念は変わらないが、多くの課題に対して他者と結びつき、協働していくことが求められている」との発言がありました。また、登壇者からは共通して「参加ハードルの高さ」が課題として挙げられ、国内だけでなく世界ともつながれる時代において〝自分たちの活動に対し、いかに関わりたいと思ってもらうか〟を考えることが大切になってくるといいます。
トークセッションの後は、各地の実践者が活動内容や展望を1人5分で話すリレートークを実施。取り組むテーマや活動歴の異なる一人ひとりが、活動に至った背景や思いをつないでいく時間となりました。
世代や立場を超え、これからの市民社会をともに考える
フォーラムの最後には、「これからの市民社会づくりへの提言」と題し、再びトークセッションの場が設けられました。それぞれの登壇者が経験から感じることを伝え、その一人であるNPO法人WELgee代表理事の渡部カンコロンゴ清花さんは「ほっといても参加する人はする。どこまで人を巻き込めるかが重要。色々な人が参加できるように、私たちは多様な選択肢を残せているのか」と会場に問いかけました。
こうして幕を閉じたフォーラムでは、参加者同士が考えや思いを共有する時間が設けられたほか、終了後には交流会も開かれています。NPO法施行から四半世紀が過ぎる今、理念として描いた社会に近づくために何が求められているのか。世代や立場を超えて、ともに考える一日となりました。
それぞれの思いを伝えたリレートーク
なるほどword
【特定非営利活動促進法】 特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等で、市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的とする。1998年3月19日に成立。 |
https://jnpoc.ne.jp/npolaw25th/
NPO法25周年記念フォーラムプログラム
https://jnpoc.ne.jp/npolaw25th/programe/