(社福)福島県社会福祉協議会 老人福祉施設協議会
避難指示の一部解除を迎えるも、避難した特別養護老人ホームの再開は?~厳しさの中で、新しい挑戦を続ける福島の施設~
掲載日:2018年5月18日
ブックレット番号:7 事例番号:70
福島県福島市/ 平成30年3月現在

事業所再開の支援は、状況把握と「とにかく行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福島県社協 老人福祉施設協議会

事務局長 髙木 健さん

 

髙木健さんは、震災前、楢葉町で高齢者のデイサービスを経営していましたが、今は福島県社協老人福祉施設協議会事務局長として、日々目の前にあることに向き合って過ごしています。その髙木さんは、避難施設の今をふまえて「それぞれが震災前の職員をつなぎ止める努力をしてきたが、長期化したり、職員の避難先も分散してしまうと、なかなかそれも難しい。再開を待ちたい職員も『この先どうなるか…』が見えてこなければ、希望を持ちにくい。その意味では、オンフール双葉のような民設民営の施設では、法人独自に再開に向けたビジョンを早くから示せたが、公設民営の施設では、町の復興計画の行方を待たなければならない。行政が早めに見極めを示すことが『再開』の重要な要素となる」と指摘します。

 

それぞれの施設は、それぞれの地域でそれぞれの『想い』があって設立されたものです。被災した施設の事業所再開に向けては、その設立の『想い』に立ち返りつつ、災害により大きく変わった環境の中では、それを新しい形にしていくことに大きなエネルギーを要します。そのためには、それに対する支えが必要となってきます。

 

事業所再開をめぐる経営支援のあり方として、変化する状況を把握し続けて「一緒に悩む」ことの大切さがあります。髙木さんは「3~4か月ごとに訪問や電話、あるいは全施設に集まってもらって情報を共有している。とにかく行ってみないと。現場を見て一緒に考えないと、分からないことがある」と、話します。

 

また、福島県社協老施協として義援金や寄附金などを再開施設の備品購入に充てられるよう配分しました。さらには、ニーズを聞き、要望活動にも取組みました。髙木さんは、「再開施設への施策上の助成金にもっと幅が必要だろう。再開前の準備金や新しく職員を確保するための家賃補助、そして、再開する施設を法人が運営できるようにするための助成が必要」と指摘します。さらに、「給食業者の確保が再開施設に限らず、非常に厳しい状況にある。自前調理に変えようにも、その人手も確保が厳しい。これは、なかなか打つ手がない」と話します。

取材先
名称
(社福)福島県社会福祉協議会 老人福祉施設協議会
概要
(社福)福島県社会福祉協議会
http://www.fukushimakenshakyo.or.jp/
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