福島県福島市/ 平成30年3月現在
施設相互応援協定と訓練、そして、生協との施設支援協定
福島県社協老施協では、平成26年1月21日に県内の会員施設による『災害時施設相互応援協定』を締結しています(詳細は、災害時要援護者支援ブックレット④『続・災害時要援護者支援活動事例集』を参照)。協定では、会員施設の利用者が避難しなければならなくなったときには、被災していない周りの施設が最大で自らの定員の10%を目安に被災した施設の利用者を迎えに行くことを想定しています。その際、利用者のケアを引き継がなければならないことから、各施設ではその事態に備え、利用者ごとに「フェイスシート」「個別支援計画」「服薬の状況」などを持ち出して渡せるよう、あらかじめ準備することを会員施設に呼びかけています。
平成26年11月には、協定に基づく広域訓練を会津支部で行いました。すると、その直後の平成27年9月に関東・東北豪雨災害が発生し、実際に利用者が避難しなければならなくなりました。そのとき、訓練が役に立ちました。
さらに、大規模災害が発生した際、会員施設が福祉避難所となり、地域の人を受入れることを支援するため、県内の4つの生活協同組合と『災害時施設支援協定書』を締結しています。
平成28年10月14日に生活協同組合コープふくしま、
平成28年12月8日に生活協同組合コープあいづ、
平成29年2月16日に福島県南生活協同組合、
平成29年2月24日にパルシステム福島、
の4つの生協との協定により、食料や飲料水などの生活物資を迅速に確保する体制づくりです。髙木さんは「施設に対して優先的に調達して運んでもらうことまでを協定としている。行政を通じると、どうしても公平な配分になってしまうが、直接、会員施設に届けてもらうことで施設が必要な取組みを安心して取組めるようにした」と話します。
東日本大震災から6年半が経過し、福島県社協老施協では災害対策の取組みを一つひとつ積み重ねてきましたが、避難指示解除を迎え、ようやくの一歩を踏み出せた避難施設のように、まだまだ多くの課題があります。また、再開を果たせない特養もある中、避難先で増大する要配慮高齢者への対応も課題です。そして、介護人材の確保をめぐる課題。困難を乗り越えるべく、前向きに魅力ある活動を展開しようとする取組みは、まだまだ続いていきます。
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