えんがわ文庫
まちの人が集まり、つながりが生まれる小さな図書館
掲載日:2024年4月8日
2024年4月号 み~つけた

えんがわ文庫(調布市)

 

みんなで運営し、育てていく交流の場

調布市市民活動支援センター入口のひときわ目立つ看板が印象的なえんがわ文庫。誰もがふらっと立ち寄れる明るい図書館で、2021年秋にオープンしました。きっかけは、センターをもっと使いやすくするためのプロジェクトが、調布市市民活動支援センターの運営委員会で立ち上がったこと。本を置くスペースとして活用する構想がありましたが、本の寄贈を募るだけだと継続的な交流につながらないため、1人1箱、自分だけの本棚を持つ「みんとしょ」スタイルを取り入れました。本棚のオーナーを「棚主」と呼び、棚主はえんがわ文庫の場づくりや運営にも主体的に関わります。

 

本棚はりんご箱を再利用し、自分たちで一つ一つ丁寧にやすりがけを行い、みんなで力を合わせてオープンに向けて準備をしました。えんがわ文庫を象徴する看板も手作りです。

 

本を通じて広がる出会い

棚主は、中学生から90歳くらいまでと非常に幅広く、センターのことを知らなかった人も、えんがわ文庫をきっかけに関わりを持ち始めています。棚主になった経緯はそれぞれで、「調布市の広報誌でえんがわ文庫のことを知って参加しました」という方もいれば、「このような活動を前から探していて、無料でできるのがいいなと思って」と話してくれた方も。また、「年齢や趣味嗜好がバラバラな人たちが集まっていて、普段の生活では経験できない出会いがある場」と、えんがわ文庫の魅力を笑顔で教えてくれました。

 

コミュニティスペースとして開放するほか、好きな本(イコール 推し本)を持ち寄って紹介し合う会や、棚主による読み聞かせをするおはなし会など、交流イベントも定期的に開催しています。

 

イベント以外では、棚主それぞれが空いた時間に棚の整理をしたり、家でつくった飾りを持ってきたりと、来られる人が来られるときにできることをしています。「気軽にふらっと立ち寄れる場所になっていて、ほっとする感じがします」と棚主の一人は話します。

 

現在は、本の貸し出しはしていませんが、立ち寄った人は気になる本を手に取ったり、ベンチに腰掛けたりと思い思いに過ごすことができます。えんがわ文庫は、市民にとっても棚主にとっても居心地の良い居場所となっています。

 

えんがわ文庫

  • 本を通じて人や地域につながるための民設図書館で、本好きもそうでない人も楽しめる空間。
    場所:調布市市民活動支援センター内(京王線国領駅から徒歩1分)
    問合せ先:調布市市民活動支援センター 電話042-443-1220
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えんがわ文庫
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