IRODORI café
誰でも何度でもチャレンジができる社会をこの場所から
掲載日:2024年6月18日
2024年6月号 み~つけた

 

カフェのコンセプトとこだわり

IRODORI caféは、台東区の「障害者施設浅草みらいど」内にある「就労継続支援B型事業所ルーツ」が運営するカフェで、2021 年にオープンしました。

 

「誰でも何度でもチャレンジができる場所」をコンセプトに、ルーツの利用者たちが、支援員と一緒に、接客やコーヒーのドリップ、お菓子の製造、日当たりのいい店内の温度管理など、さまざまな役割を担っています。こだわりは「My(まい)日(にち)Sweets」として打ち出している日替わりのスイーツ。体にやさしい素材を使い、1つ1つ丁寧につくっています。管理栄養士の資格を持つ支援員とともに、利用者もレシピ研究や試作に携わり、新しいメニューの開発に取り組んでいます。

 

IRODORI caféの運営メンバーで支援員の松川容子さんは「ハンディキャップのある人たちを地域で支えていくことをこの場所から実現できればいいと思いました。誰もが立ち寄れるカフェとして、地域に向けた発信を大切にしています」と言います。台東区の支援事業(注)を活用し、自分たちの強みや伝えたいことを整理しながら、ブランディングをすすめていったそうです。

 

(注)台東区の支援事業
台東区が実施する「福祉作業所等工賃向上支援事業」の一環で、福祉作業所等とデザイナー・クリエイター等をマッチングし、福祉作業所等が製作・販売する自主製品のパッケージ改良や商品デザイン改良などの支援事業

 

開かれた場所であることを大切に

スイーツのラッピングには同じ施設内の生活介護を利用する方々のアート作品を使うこともあります。魅力をより広く伝えるために企業とのコラボや外部イベントへの出店にも取り組んでいます。カフェの定休日にはオープンスペースとして開放し、地域に開かれた場所であることもIRODORI caféが大切にしていることです。

 

浅草みらいどの施設管理者の中本祐介さんは「ハンディキャップのある人たちのことを知らないがゆえに不安に感じる人もいる。“ 知る”ことで双方の安心につながると思います。共生社会が当たり前となるよう、福祉に携わっている人だけに限らない発信や広がりを大事にしています」と話してくれました。松川さんも「ハンディキャップのある人がつくった商品として購入してもらうのではなく、質・デザインが良いから買う。その商品の後ろに利用者がいる。そんな“ふつう”を叶えたいです」と、想いを語ります。

 

カフェは2024年で3周年を迎えました。個性という“イロドリ”を持つメンバーが、地域の日常に“イロドリ”を届け、人と人とのつながりを“イロドリ” 豊かなものとしていけるよう、チャレンジを続けます。

 

IRODORI café(イロドリカフェ)

取材先
名称
IRODORI café
住所
台東区今戸2-14-3
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