日本語学習支援教室 ひまわり
外国ルーツの子どもたちと、 一緒に考え、自分らしくいられる居場所を
掲載日:2024年9月27日
2024年9月号 み~つけた

 

 

ボランティアとつくる外国ルーツの子の居場所

毎週水曜日、国立市の富士見台第一団地の一角で開かれる「日本語学習支援教室ひまわり」には、外国ルーツの子どもたちとボランティアの市民や学生が集まってきます。元気に挨拶する子、静かに入室する子、学生を兄や姉のように慕い、母語で話すことを目当てに来る子も。玄関には、地域の保護司さんからのお土産のおやつが積まれています。子どもたちは和室に並んだ長机に向かい、ボランティアと一対一で学習をすすめます。時ににぎやかに、笑顔もあふれる優しい時間が流れます。

 

国立市社会福祉協議会(以下、社協)の伊藤真理子さんによると、活動のきっかけは地域の方からの「外国ルーツの子どもたちの学習の場が少ない」という社協への声。当時、市内にそうした小中学生対象の居場所などもなかったため、国際交流のボランティアグループや民生児童委員、学生団体と連携し、説明会と日本語学習支援ボランティア養成講座を開き、2021年9月に「ひまわり」を開設しました。現在は、活動に共感した市民や、近隣の大学の学生など約30名が活動を支えます。

 

ひまわりに集まる子は、小中学生を中心に、さまざまな国をルーツとする約20人。日本で育った子、家族に呼び寄せられた子など、背景も多様です。社協が校長会等で活動を説明し、民生児童委員やスクールソーシャルワーカーらが家庭に働きかけ、利用につながっています。

 

自分を知る人がいて、ありのままでいられる場として

開設当初からのボランティアで、市内の学校で日本語指導員をするともなり久恵さんは「生活言語に比べ学習言語の獲得は難しく、学習能力が低いと誤解される子もいます。ありのままの姿に寄り添い、学校で話せないことも話せ、ほっとできる場にしたいです」と語ります。一橋大学4年生で、自身も台湾にルーツを持つ樋口ゆうきさんも「子どもに孤立してほしくない」という思いで当初から活動する一人です。「年齢が近く、親しみを持ってもらっていると感じます。受験のことなど、自身の経験から教えられることもあります。ひまわりは自分にとっても居場所です」と言います。

 

月1回、日本文化や季節行事を体験するイベントも開催しており、7月は「スイカ割り」。団地の中庭に「もっと右!」「前だよ!」と声が響き、心を許せる関係性がうかがえます。伊藤さんは「自分を知る地域の人がいて、いつでも来たくなる場、ボランティアも子どもも、安心して自分を出せる場にしたいです」と語ります。

 

日本語学習支援教室ひまわり

  • 開催日程:毎週水曜日 [小学生]15:30~17:00 [中学生]17:10~18:40
    開催場所:国立市富士見台1-7 1-2-10 富士見台第一団地内「くにたち福祉会館分室」
    問合せ先:(福)国立市社会福祉協議会 国立市ボランティアセンター 電話042-575-3223
取材先
名称
日本語学習支援教室 ひまわり
住所
東京都国立市富士見台1-7 1-2-10 富士見台第一団地内「くにたち福祉会館分室」
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