(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
地域の高齢者やその家族が安心して故郷で暮らし続けられるように、またあの場所で~避難指示を受けた特養の事業再開までの道のり~
掲載日:2018年6月29日
ブックレット番号:7 事例番号:76
福島県/平成30年3月現在
福島県/平成30年3月現在
福島県楢葉町は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけに「避難指示区域」に指定され、5年にわたる全町避難を余儀なくされました。
社会福祉法人広葉会が運営する特別養護老人ホーム「リリー園」の利用者や職員も長く過酷な避難生活を経験しました。
災害時における介護職員の使命感や倫理観とは何か―。避難が長引くとともに少なくなっていく職員を見ながら施設長の永山初弥さんは悩みました。しかし、それぞれの事情を抱えながら去っていく職員たちを引き止めることはできませんでした。
リリー園が地域に果たす役割は何か―。避難所で利用者や地域の高齢者とその家族の「帰りたい」「住み慣れた故郷で暮らしたい」という想いを肌で感じながら、永山さんは地域の社会福祉法人としての理念に立ち返り、リリー園で暮らしていた方だけでなく、故郷に帰りたいと願う高齢者やその家族が、安心して楢葉町で暮らし続けることができるための選択肢の一つになりたい、そのためにリリー園をいつかまた同じ場所で再開したいという想いを持ち続けていました。そして職員と施設のつながりがなくならないよう、職員を雇用し続けました。
平成27年9月5日に避難解除を迎えた楢葉町。その約半年後の平成28年3月30日に、5年間の休業を経て、リリー園はもとの場所で事業再開を果たしました。
特別養護老人ホーム「リリー園」は、福島県浜通りの中央に位置する楢葉町にあります。福島第一原発から20km圏内に所在し、震災前は入所者80名と、ショートステイ10名を受入れていました。
リリー園を運営する社会福祉法人広葉会は、楢葉町と広野町の両町が共同で、地域の高齢者を対象にした広域事業を行う法人として平成14年に設立しました。
取材先
名称
(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
概要
(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
http://lily-en.com
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タグ
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