(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
地域の高齢者やその家族が安心して故郷で暮らし続けられるように、またあの場所で~避難指示を受けた特養の事業再開までの道のり~
掲載日:2018年6月29日
ブックレット番号:7 事例番号:76
福島県/平成30年3月現在

 

この6年半をふりかえって

永山さんは生まれも育ちも楢葉町です。平成14年まで、楢葉町と広野町には特養がなく、リリー園ができるとすぐに満床になりました。永山さんは「いかにこの地域に特養が必要であったか」と話します。そして、「東日本大震災を経て、避難所などで利用者やその家族を見ていると、『故郷に帰りたい』『住み慣れた地域で安心して暮らしたい』という想いが手に取るようにわかった。それを考えると、施設の再開までいろいろな課題があったが、どうしても願いを叶えたかった」と言います。

また、永山さんは、リリー園が再開した後に、仮設住宅でのひとり暮らしが限界になったという方が入所してきたときのことについて、こう話します。「もともと地域で暮らしていた高齢者の方が、5年の間にすっかり変わってしまい、元気だった頃の面影をすっかり失っていた。もっと早く誰かが気づいていたら、リリー園を終の棲家として楽しく過ごせたのかもしれない」。

 

震災後の被災地では、家族がばらばらになったり生活様式が変わったりと、高齢者はますます大変な状況に置かれています。そしてさらに高齢化はすすみ、65歳以上の人の割合は増えてきています。

応援職員も人員に入れながら、休止している2つめのユニットの稼働を手がけ始めたリリー園ですが、3つめのユニットが必要になる日も遠くなさそうです。

 

地域の社会福祉法人としてできること―。それはリリー園で暮らしていた高齢者だけに限らず、楢葉町で暮らしたい人が町や自分の未来も含めてこの先のことを考えたときに、地域資源の中の選択肢の一つとしてリリー園の存在があること、つまり、「この先何かあってもリリー園があるから大丈夫」と安心できるような地域の資源になることです。

そのためにリリー園は、職員を増員して待機者を受入れられる体制をつくり、帰ってくる方が安心して暮らすための環境を整えることでニーズに応えたいと考えています。

永山さんは、「この地域でこの施設が果たす役割は大きい。経済的なことばかり優先して事業を行うことはできない。法人の設立趣旨と同じく、楢葉町で暮らしていた方々が、住み慣れたこの地域で安心して暮らし続けることができるように、経費はかかるが引き続き人材確保をがんばっていきたい」と話します。

 

取材先
名称
(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
概要
(社福)広葉会 特別養護老人ホーム「リリー園」
http://lily-en.com
タグ
関連特設ページ