東京都町田市
災害時への「知識と訓練」の積み重ねが要配慮者や想定外の事態に対応できる力になる
掲載日:2018年8月28日
ブックレット番号:7 事例番号:81
東京都町田市/平成30年3月現在

避難施設(一般の避難所)での要配慮者対応

一方、避難施設(一般の避難所)での要配慮者対応も含めた取組みとしては、避難施設である小中学校にて「避難施設関係者連絡会」や「避難施設開設訓練」などが行われています。

 

(1)自分たちの手で「まち」を守る「避難施設関係者連絡会」

平成29年9月現在、避難施設は、町田市内71か所の小中学校、高校、市施設に設置される想定です。避難施設の円滑な運営について検討するために、近隣の自主防災組織のメンバー、小中学校など避難施設の担当市職員、避難施設管理者(学校教職員等)の3者が集まる「避難施設関係者連絡会」(以下、連絡会)が、年1回以上避難施設ごとに行われています。連絡会では、「開設・運営マニュアル」の確認・修正や、施設内に保管されている備蓄品、資材の確認などを行っています。市からは、避難施設でも要配慮者の対応や支援が必要になることを連絡会の場を通じて伝えるようにしています。

 

町田市防災安全部防災課の髙橋心哉さんは「災害時は、配慮が必要な方も、公的支援が入るまでの3日間は避難施設で過ごす可能性があることを話している。その間、自分たちの命を守ることにつながるのは、日頃からの地域住民の協力による『自分たちのまちは自分たちで守る』という『自助・共助』の意識だと考えている」と話します。

そこで、防災課では日頃から自主防災組織のエリア内の居住者の状況把握の必要性を伝え、自分たちの手で「まち」を守る意識と防災活動を高め、自主的な連絡会の開催ができるような働きかけを行っています。

 

(2)地域で行う避難施設開設訓練

避難施設(一般の避難所)にある「避難施設開設・運営マニュアル」の実用性の確認を図るため、避難施設となる小中学校の教職員、自主防災組織、市担当職員の3者が避難施設運営委員会(※2:委員会組織図)を組織し、避難施設開設訓練を実施しています。

この訓練では、指定職員(市の職員)と協力しながら避難施設の開設を行うプロセスを確認するため、避難施設の解錠から設備の安全確認、避難者の受入準備、避難者数の把握と必要な収容スペースの確保および割り当てを行っていきます。このとき、要配慮者となる高齢者や病気の方などへの支援など優先すべき点などを確認しています。例えば、要配慮者には優先的に1階の部屋を割り当て、同時に、トイレも部屋の近くに配置するなどが必要であることが分かり、マニュアルにも定めました。

 

成瀬台小学校にて実施された避難施設開設訓練の様子

引用:町田市ホームページ

 

 

※2 避難施設運営委員会組織図(参考:鶴間小学校)

鶴間小学校 避難施設運営委員会組織図

 

取材先
名称
東京都町田市
概要
東京都町田市
https://www.city.machida.tokyo.jp/
防災安全部防災課
いきいき生活部いきいき総務課
地域福祉部福祉総務課
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