東京都町田市/平成30年3月現在
在宅避難(自宅避難)への対策と取組み
災害時に、自力で避難することが困難な要配慮者の中には、自宅にとどまり、避難生活を送る方がでてくることが考えられます。自宅にとどまる要配慮者にとって、公的な支援が届くまでの発災直後から3〜4日間程度は、最も過酷な時期となります。そのために、市は、在宅避難を「自宅避難」と位置づけ、その方たちの命をつなぐために必要な支援対策として、避難行動要支援者の「自助」および、地域住民による「共助」を基本として、日頃から自治会などで地域周辺の情報把握と整理をしておくことが重要だとしています。
(1)関係機関共有方式の「避難行動要支援者名簿」で要配慮者を把握する
避難行動要支援者の支援には、素早い対応が困難な方など、防災行動がとりにくい個々の特徴を十分に認識し、それに応じた対応を取ることが求められます。
市では、災害時における実効性をより高めるために、手上げ方式や同意方式ではなく、「関係機関共有方式」(※3)を用いて、「避難行動要支援者名簿」を作成し、要配慮者を把握することとしています。作成した名簿は、平時は福祉関係部局が保有し、災害時には防災関係部局や民生児童委員などの関係機関の間で共有しています。
一例として、東日本震災時において、東京都内で計画停電の影響を受ける要配慮者などの中で、人口呼吸器使用者への支援の必要性もあらためて浮き彫りになりました。
下図の避難行動等の特徴からも、素早い避難行動が困難なため「在宅避難」生活することが想定されます。関係機関共有方式であがってきた「避難行動要支援者名簿」から、市内の人口呼吸器保有者を抽出した名簿を作成し、配慮すべき適切な対応を行えるようにしています。
在宅人口呼吸器使用者には、以下のような特徴があります。
東京都福祉保健局「災害時要援護者への災害対策推進のための指針」
(平成25年2月改訂)から抜粋
※3 地方公共団体の個人情報保護条例において、保有個人情報の目的外利用・第三者提供が可能とされている規定を活用して、避難行動要支援者本人からの同意を得ずに、平常時から福祉関係部局等が保有する避難行動要支援者情報を防災関係部局、民生児童委員などの関係機関等の間で共有する方法
(2)避難支援対策として個々の個別支援計画を作成する
個別支援計画は、避難行動要支援者一人ひとりの避難支援計画として作成するものです。個別支援計画の作成にあたっては、避難行動要支援者本人の同意をもとに、近隣の避難支援者、民生児童委員、町内会・自治会などの地域で支援するメンバーが協議します。要支援者を、誰が支援するか、避難場所、避難経路や避難方法などについて具体的に話し合い、確認して必要な情報をまとめます。
前述の在宅の人口呼吸器使用者に対しても個別支援計画を作成し、常に状態が変化することを前提に、個別状況を把握しています。
災害時においては、個別支援計画に沿って、ケアマネジャーが避難誘導や安否確認にあたります。市と担当のケアマネジャーからと重層的に把握するよう計画されています。
災害時には、公的支援だけで要配慮者への支援が行き届くとは限りません。日頃から「まちぐるみ」で防災に取組み、積み重ねること、町内会や自治体、地域住民の連携による共助することが自分たちの「まち」を守り、ひいては自分の命を守ることにつながります。
https://www.city.machida.tokyo.jp/
防災安全部防災課
いきいき生活部いきいき総務課
地域福祉部福祉総務課