Ⅱ 本格実施に向けた「移行準備事業」の取組み
(1)事業スキームの検討や庁内での認識の共有
中央区では、令和2年度から試行実施として、相談支援包括化推進員を10名配置し、相談支援包括化推進連絡会議の開催により移行準備に向けた体制の検討を開始しました。また、包括的支援体制を構築するために、分野横断的な課題、制度のはざまにある課題への対応力を高めるためソーシャルワーク機能向上研修の実施や、「中央区保健医療福祉計画2020」における地域共生社会の実現に向けた理念を共有し、地域福祉の推進を図るための地域福祉講演会の開催などを行いました。
令和3年度の移行準備事業の開始に伴い、庁内の相談機能を待つ部署に13名の相談支援包括化推進員を順次配置し、相談支援包括化推進連絡会議で包括的な支援体制のスキームづくりや、地域課題の把握検討、各課内における重層事業の周知等により庁内の共通認識と連携の促進を図りました。また、個別ケースを検討する随時開催の相談支援包括化推進連絡会では、複雑化・複合化した困難ケースについて、支援機関の調整や支援方針の決定などを行いました。併せて、相談窓口の機能向上のための研修は継続して実施しています。特に、庁内では人事異動で担当者が変わることも多く、毎年継続して行うことが必要と感じています。
区役所本庁舎地下1階にあった京橋図書館の移転にあわせて、同敷地に「ふくしの総合相談窓口」を設置する方向で、地域福祉専門部会(中央区保健医療福祉計画推進委員会の作業部会)での検討も開始しました。また、窓口開設にむけて、庁内及び関係機関の担当者向けの説明会を実施し、認識の共有を図りました。
(2)事業委託等を通した区と社協の連携
令和4年度からは、「アウトリーチ等を通じた継続的支援の取組み」を開始し、中央区社協が実施している地域福祉コーディネーター事業をベースにした実施が可能と考え、中央区社協に委託をして、区と社協が一体となり実施体制の整備に取り組みました。
中央区社協では、CSWは生活支援コーディネーターを兼務しており、アウトリーチ等による相談支援や地域づくりの取り組みを進めています。介護保険の生活支援体制整備事業でも、対象は高齢者に絞られていますが、同じように地域づくりの支援をしており、対象を限定しない、地域のニーズに合わせた地域づくりができることが強みです。令和4年度からは、CSWの人数を7名に増員し、各圏域に2名と全体を統括するリーダー1名を配置しています。中央区では、5年計画で地域共生社会の構築を踏まえた体制作りとして取組み、CSWが地域で把握した課題や取り組み状況などを区の計画や地域カルテに反映するなどの成果に繋がっています。
【CSW(生活支援コーディネーター兼務)の配置状況】
https://www.shakyo-chuo-city.jp/