Ⅲ 重層事業の実施状況(令和6(2024)年~)
1 包括的相談支援事業
杉並区では、ワンストップ型のいわゆる総合相談窓口を設けることはせず、各分野のいずれの窓口で相談を受け付けても適切な支援につなぐ「断らない相談窓口」を目指しています。
「断らない相談窓口」の実現に向けて、在宅医療・生活支援センターでは、一つの相談機関だけでは対応が難しい事例について、関係機関の調整を行うとともに、支援の計画を立て、進行管理を行うなど、相談機関の後方支援を行っています。また、相談機関の職員の対応力向上を図るための研修等を実施するほか、令和6(2024)年度からは、庁内ネットワーク上で各分野の制度やサービスを検索できるシステムを導入し、相談機関の連携を強化しています。
また、杉並区社会福祉協議会では、地域福祉コーディネーターによる「出張福祉なんでも相談会」などを通じて、住民のどこに相談して良いか分からない困りごとや悩みについて分野を問わず受け止めているところです。
2 多機関協働事業
在宅医療・生活支援センターでは、相談機関から複合的な生活課題を抱えた事例に関する相談を受け付けた上で、精神科医や弁護士等が参加する支援会議(杉並区高度困難事例対応支援会議)を開催し、関係機関の調整等を行っています。
また、個別事例への支援を通じて見えてきた共通の課題等を調整・整理するため、福祉分野のみならず、まちづくりや教育など社会福祉法の範囲を超えた分野の関係機関も参加する重層的支援会議を設置し、幅広い分野での連携を図っているところです。
3 アウトリーチ等を通じた継続的支援事業
地域福祉コーディネーターを始め、ケア24やくらしのサポートステーションなど杉並区社会福祉協議会の職員は、きずなサロンや町会など地域活動の場に積極的に出向くとともに、来所での相談が難しい方の自宅を訪問するなど、アウトリーチ等を通じて、困りごとや悩みを抱えた方に寄り添った伴走型の支援に取り組んでいます。
4 参加支援事業
地域支え合いの仕組みづくり事業では、地域福祉コーディネーターが、社会的に孤立し、地域とのつがなりがなかった区民を、本人の希望に寄り添いながら地域活動や居場所等へつないでいます。
なお、地域活動や居場所等へつなぐ際には、杉並区社会福祉協議会が運営する杉並ボランティアセンターや杉並区社会福祉法人地域公益活動連絡会(すぎなみ社福連)*3などと連携しながら対応しているところです。
*3 杉並区社会福祉法人地域公益活動連絡会(すぎなみ社福連)
- 区内の社会福祉法人が相互に情報交換を行い、連携と協働により地域公益活動に取り組むために設立した連絡会です。地域の皆様に施設や物品を“無料で提供・貸出”を行ったり、出前講座や専門相談なども行っています。(https://sugifukuren.com/)
https://www.sugisyakyo.com/