江戸川区では、地域の拠点「なごみの家」を基盤に、令和6年度から重層的支援体制整備事業を展開しています。「なごみの家」は区内に9か所(北小岩、小岩、鹿骨、瑞江、松江北、一之江、長島桑川、葛西南部、小松川平井)設置されており、「なんでも相談」「ネットワークづくり」「居場所」という3つの機能があります。9か所全体のとりまとめ及び3か所の運営を社協が担い、他6か所は社会福祉法人や学校法人、株式会社が運営しています。
重層事業は、「なごみの家」を中心とした既存の体制を基盤として導入されました。区の福祉推進課が主管し、「なごみの家」が多機関協働事業を一部受託しています。重層事業の対象となるような複合的な課題を抱えた相談は、本人同意の取得が難しい事例も多いため、現状では参加者に守秘義務のある支援会議を活用することで対応しています。ごみ屋敷への対応など、従来の制度で連携に困難さを感じていたケースを扱うことが多く、重層事業により関係機関との情報共有や庁内連携の強化が図られています。
各「なごみの家」では、熟年相談室(江戸川区における地域包括支援センターの呼称)、町会・自治会、民生児童委員などと連携し、個別支援と地域づくりの両面から支援を展開しています。全所長が集まる定例打合せ会議やコミュニティソーシャルワーカー(CSW)の連絡会を定期開催するとともに、共通システムを用いた情報共有を通して各拠点間の連携も行われています。また、「なごみの家」ごとの「地域支援会議」を通じて地域課題を抽出し、サロン活動や見守り活動などの住民主体の活動(地域プロジェクト)の開発と推進に取り組んでいます。各地区の地域性や課題に合わせてそれぞれのプログラムをおこなう点も、「なごみの家」を中心とした地域福祉活動を進める江戸川区の特徴です。
江戸川区の重層事業は、地域ごとの特色と取組みに基づく現場実践主導のスタイルです。「なごみの家」を中心に、住民・関係機関・行政の協働が進められ、「誰一人取り残さない地域共生社会」の実現に向けた地域づくりが進められています。











