NPO法人きもの笑福
きものを通じて子どもや女性に笑顔になってもらいたい
NEW 掲載日:2026年4月6日
2026年4月号 み~つけた

 

 

和装教育の講師がきっかけで活動を開始

NPO法人きもの笑福(わふく)は、児童養護施設で育った子どもや母子生活支援施設で暮らす女性たちに笑顔になってもらいたいという想いで活動している団体です。一生に一度の七五三や成人式の祝着きものの着付け支援をし、ハレの日の写真をアルバムにして差し上げています。


代表の鎌田弘美さんは祖母の影響で子どもの時からきものが身近なものとして育ち、きもの講師として活動していました。2013年に家庭科で和装教育が始まったことで、中学校でゆかたの着付け授業を行うことになりました。その時に児童養護施設から通う子どもや、ゆかたを持って来られない子どもの存在に気づきます。貧困の家庭や生活費を優先しなければならない経済的に厳しい家庭等にとって、きものは手の届かないものになっていることがわかったのです。そのことをきっかけに貧困による格差をなくし、子どもたちの人権擁護と人格形成の一助になる活動をしたいと思い、2017年に志を同じくした友人と「七五三・成人振袖支援プロジェクト」という、現在も続く活動を始めました。その後法人化が必要と考え、2019年のNPO法人の認定につながっていきます。

 

自分たちの着付けを笑顔につなげたい

児童養護施設での成人式の着付けでは、どの子どもも着付けの段階を追うごとに、表情がどんどん笑顔に変わっていきます。「お子さんが笑顔になる瞬間を見れるだけで幸せです。そして、小さなころから施設を出るまで24時間体制で身を粉にして育てた職員の方に『よく頑張りましたよね』とねぎらいの言葉を贈ることも大事」と鎌田さんは言います。着付けがすすむ様子を見守りながら、涙を流す職員も多いそうです。また、成人式は18歳で施設を離れた子どもたちが再び姿を見せるきっかけにもなり、その後の様子を確認する日でもあります。

 

 

子どもや女性たちの生きる力になれたら

きもの笑福の活動に賛同する会員は約30名で、30代~70代と幅広い年代の女性で構成されています。きものが好きで、子どもや女性たちを笑顔にしたいという想いを共有しています。年代の異なる会員同士の会話はお互いのモチベーションにつながり、尊い活動になっています。また、この取組みに賛同し、寄付してくださる方の気持ちを着付けで伝えることも大事な使命であると鎌田さんは考えています。『自分も児童養護施設で育ったので同じ思いをしてほしくない』『自分が着なくなったので子どもたちのためになるなら』など心温まる声が寄せられています。「寄付をご検討いただいている方は、どうか一歩踏み出すお気持ちをお寄せいただけたら」と鎌田さん。

 


鎌田さんは「親からの虐待や配偶者によるDVが年々増えていると感じています。根底には貧困問題が大きなウエイトを占めていて、そのしわ寄せを受けているのが日本の子どもたち。子どもたちに貧困の負の連鎖に陥らず、自己肯定感を得て学ぶ力、生きる希望を見出してもらいたいです」と語ります。着付けを通じて子どもや女性が笑顔になれたらという想いで、これからもきもの笑福は活動していきます。

 

取材先
名称
NPO法人きもの笑福
概要
NPO法人きもの笑福
http://wafuku.org/
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