
社会福祉法人至誠学舎立川
至誠ホームミンナ園長
諏訪 逸さん
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」がモットー
あらまし
- 今号からの「福祉のおしごと通信」では、福祉業界でキャリアを積み上げてきた方々に、福祉の業界の魅力やこれからの福祉を担う世代への想いを伺います。1回目は 東社協・東京都高齢者福祉施設協議会で人材対策委員会委員長を務める、至誠ホームミンナ園長の諏訪逸さんにお話を伺いました。
祖母の介護への心残りが転機に
30年ほど前、結婚式場や宴会場を運営する会社で働いていたころ、祖母が認知症を発症し寝たきりになりました。当時は介護保険制度もなければ私自身も介護や認知症の知識が全くないまま、祖母の意思などお構いなしに無理やり食事やトイレ介助をするといった、いわゆる自己都合の不適切ケアにあたる対応をしていました。その時の祖母の悲しそうな表情は今でも忘れられません。
世話になった祖母に対しそのようなケアをしてしまったことへの罪滅ぼしの思いと、自分と同じように介護や福祉について知識や経験がない方々を適切な機関やサービスにつなぐ橋渡しができればと思い、退職して社会福祉士の資格を取得し、現在の(社福)至誠学舎立川に入職しました。それから27年、主に在宅系の相談員やケアマネジャーとして勤務し現在に至ります。
その人の人生に寄り添うかけがえのない仕事
人と接することが好きでしたし、前職で学んだホスピタリティは福祉の仕事にも通じると感じています。“人生のこれから”を見届ける結婚式とは違い、“人生のクライマックス”に寄り添い、支えていくのがこの仕事です。今の施設で職員と共有していることは、入居者・利用者の方々の“その人らしい生活”を追求することです。時代や社会、制度が変わってもそこは変わらないと思っています。その中で日々一生懸命に働く職員は本当に眩しく、心の綺麗な人ばかりで頭の下がる思いです。その裏方的な役割として、風通しの良い職場環境や施設と地域との良好な関係づくりをすすめるのが私の役割です。
この仕事は決して一人ではできません。高齢者福祉でいうと、ご本人はもちろんご家族や職員、ボランティアさんなどと一緒にその人の人生の最終ステージをつくりあげる、とてもダイナミックな仕事です。ともに支えてくれる人たちへの感謝と、どれだけ経験を積み立場が上になったとしても、「自分は完全ではない」という謙虚さを忘れないこと。私が常に心がけていることです。
いまだに福祉の仕事は3K(きつい・汚い・危険)などといわれ、負のイメージが先行しています。確かに人の生活を支えることの難しさ・厳しさは並大抵のものではありませんが、3H-Hospitality(おもてなしの心のもと)/Humanity(人間味があり)/Heartwarming(心温まる)-でこのかけがえのない仕事の魅力を表現できるのではないかと思っています。現代はタイパやコスパなど、速さや効率、生産性ばかりがうたわれていますが、その真逆というべく入居者・利用者の方々とじっくりと向き合い、人と人とのつながりの中で自らも人として成長できる。これこそが福祉の仕事の醍醐味ではないでしょうか。
また、この仕事は皆さんそれぞれの強みを活かせる場面・場所が必ずあります。あなたらしさをそのままに、ぜひ福祉の世界に飛び込んでいただければと思います。

決断・判断に迷ったときに必ず立ち返る法人創設者のことば








