アトリエ・バンライ-ITABASHI-
子どもたちの未来が広がる放課後の居場所
NEW 掲載日:2026年5月11日
2026年5月号 み~つけた

 

 

体験格差に着目し、居場所づくりを構想

板橋区中台にある子どもたちの放課後の居場所、アトリエ・バンライ-ITABASHI- (以下、バンライ)。三井住友銀行の出張所を改装し、2025年4月に子どもの居場所としてオープンしました。バンライの名前の由来は「千客万来」と「Bank of Life(体験という人生の資産)」。そこに“物事を創造する工房”の意味をもつ「アトリエ」を合わせて名付けられました。


銀行がこのような子どもの居場所を手がけた背景には何があるのでしょうか。(株) 三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)社会的価値創造推進部の大萱亮子さんは次のように話します。「SMBCグループの前中期経営計画では“次世代への貧困・格差の連鎖を断つ”ことが重点課題の一つとして掲げられました。私たちは子どもの体験格差に着目し、子どもたちに多種多様な体験の機会を提供することで、好奇心や想像力が育まれ、自分で人生を切り拓く力になる。それがやがて貧困・格差の連鎖を断ち切る一手になるのではないかと考えました」。

 

こうして、銀行の遊休施設を活用する形で、子どもたちの居場所と体験の場が生まれたのです。

 

好奇心をくすぐる空間やプログラム

バンライは、近隣の小学校に通う4~6年生が対象で、事前の利用登録が必要です。 解放感のある吹き抜けの1 階にはカラフルなイスや机が並び、足を踏み入れた瞬間にワクワクした気持ちが広がります。スタディステーション、リラクゼーションゾーンといったゾーニングも工夫されています。ある子は、宿題を終えた後は大好きな読書に没頭したり、またある子は、プログラム参加後に友達とゲームをして過ごしたり。子どもたちが思い思いに過ごし、リラックスできる空間です。

 

壁一面に並ぶ学習本や小説、マンガなどの約4000冊もの蔵書は、「これからのこと」などのテーマごとに並べられ、子どもたちの興味関心を広げるよう配置されています。大萱さんは「子どもたちには、通帳を記帳する感覚で読んだ本が印字できる『ブックダイアリー』を配っています。子どもたちが作った本のポップも飾られ、どれも個性豊かで面白いです」と紹介します。本棚は、「SMBCの森」の間伐材を使用しており、SMBCグループの組織力が光ります。

 

 

スクリーンを設置したメインホールでは、企業・団体が主催する体験プログラムを週2 回ほど開催。お金や音楽、科学など多様なプログラムを提供し、すべて無料で参加できます。プログラム提供企業・団体は現在39社と、開設当初から倍増しており、SMBCグループが培ってきたリレーションシップが活かされていると、大萱さんは話します。

 

かつて社員食堂として使われていた2階は「バンライ・カフェ」と称して、企業・団体主催の食育プログラムや地域のこども食堂を主催する団体に月2回、無償で貸し出しています。子ども食堂で使用する野菜は、特例子会社の菜園から、その日の朝に採れた新鮮なものが届くのだとか。

 

 

体験という資産で子どもの未来を豊かに

バンライでは、定期的に子どもたちへアンケートを行っています。子どもたちからはどんな声が届いているのでしょうか。「アンケートでは『苦手なことでも挑戦してみたい』とか『お金のことをもっと知りたい』など前向きな感想が寄せられています。何かを頑張ってみようとか、知らない事でもチャレンジしたいという気持ちは、子どもたちの資産になります。そうした気持ちが育まれていることをとても嬉しく思います」と大萱さんは話します。

 

現在、のべ利用者数は5000人を超え、合計90回以上のプログラムを開催するなど、地域に定着しているバンライ。居場所・体験機会の提供に取り組むとともに、他の地域にもバンライの理念を広め、取組みの輪を拡大していきたいと大萱さんは話します。

 

今後も、“体験”という資産を蓄え、好奇心や想像力を育む場所として、バンライはこれからも子どもたちの未来をつくっていきます。

 

アトリエ・バンライ-ITABASHI-

  • 場所:板橋区中台3-27-7サンシティ内
    開館時間:毎週月・火・木・金曜日14:00~17:30
取材先
名称
アトリエ・バンライ-ITABASHI-
概要
アトリエ・バンライ-ITABASHI-
https://www.smfg.co.jp/sustainability/atelier/
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